太陽系大分裂
この問題について、今回の研究者たちは初期太陽系を取り巻いていたガスと塵の円盤に大きく分裂した構造があったためだと主張しています。
彼らはこれを「大分裂」と呼んでいます。
大分裂は火星と木星の間、小惑星帯の外側にある空白のスポットにあったといいます。
ここを境界として、初期の太陽系を取り巻く円盤は高圧と低圧で別々に分離し、構成材料の異なるリングを形成していました。そして、それが異なるタイプの惑星を形成した原因であると考えているのです。
これはなにも単なる想像によるものではありません。チリのALMA望遠鏡は、若い恒星系を取り巻く円盤が、分裂した領域を持っていることを観測により確認しているのです。
Brasser氏らによると、初期太陽系にもこれと同様の大分裂が存在していたと考えていて、それが惑星の構造を二分したというのです。
しかし、こうした分割は完全なものではありませんでした。
この大分裂の境界線を超えて、小惑星などによって運ばれた物質が存在します。
それが地球に海をもたらし生命を生み出した、有機物(炭素化合物)や水なのです。
もしこれが事実なら、地球の環境はなんとも奇跡的で絶妙なバランスで生まれたと言えるでしょう。
この研究はまだ確証を持てるものではありませんが、太陽系の惑星の構成や、地球環境の形成を理解する上で重要な手がかりになると考えられています。