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正体不明の天体現象「超高輝度超新星」の謎を鮮やかに説明する新理論が登場! (2/3)

2020.02.03 Monday

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超新星から確認された未知のスペクトル

チャンドラ望遠鏡で撮影された「超高輝度超新星SN 2006gy」(右上)と「銀河NGC 1260」の核(左下)/Credit:NASA/CXC/UC Berkeley/N.Smith et al.

超新星「SN2006gy」は、地球からは2億3800万光年離れた銀河「NGC1260」で、2006年に発見された天体です。

通常の10倍以上の爆発エネルギーを放つこの超新星は、太陽の数百倍という質量を持つ恒星の超新星爆発ではないかと考えられていました。

研究者が着目したのは、「SN2006gy」の爆発から400日以降のスペクトルデータでした。

爆発直後は外層部の輝きが強いため、爆発の中心で何が起きていたのか知ることは困難です。超新星がかなり暗くなった後の観測なら、超新星で放出された物質そのものを確認できると考えたのです。

超高輝度超新星 SN2006gy のすばる望遠鏡による爆発100日後と400日後の観測画像。/Credit:京都大学,広島大学プレスリリース資料,Koji Kawabata

その結果検出されたスペクトルは、当時の理論予想とは一致しない結果になりました。

そこには通常の超新星では見られない、未知のスペクトルが存在していたのです。

さらに観測されたスペクトルの幅が非常に狭いことから、物質の放射された速度も、通常の超新星の10〜15%と非常に低速であった可能性が示されました。

研究グループは、このスペクトルの謎解明が、超高輝度超新星の正体を特定する鍵だと考え再解析を行ったのです。

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