NASAのハッブル宇宙望遠鏡は今年で30周年を迎えます。
ハッブル宇宙望遠鏡は365日24時間稼働して、いつも宇宙のどこかを熱心に観測しています。
そこでNASAはこのアニバーサリーに、日付を入力すれば、その日に撮影されたハッブル宇宙望遠鏡の美しい天体画像が閲覧できる特設ページを公開しました。
NASAは、ぜひあなたの誕生日にハッブル宇宙望遠鏡が何を見ていたか、探してみてくださいと言っています。
検索した天体画像は、SNSで共有することも出来ます。
https://www.nasa.gov/content/goddard/what-did-hubble-see-on-your-birthday
天体画像検索サイト
特設サイトでは、ほんとにただ月日を入力するだけ。
せっかくなので色々検索してみましょう。
例えば、今月の初め「4月1日」を入力してみると、地球からおよそ6000光年離れた「天地創造の柱(Pillars of Creation)」の異名を持つM16イーグル星雲の画像が出来てきます。
検索された画像には簡単なキャプションの説明がついていて、さらに詳しい解説ページに飛ぶことも出来ます。
この画像は1995年4月1日に撮影され、撮影データを元に天文学者が着色して色鮮やかな天体写真に仕上げたものです。着色は単にキレイに見せるためにアーティスティックに行われたわけではなく、きちんと科学的根拠に基づいて配色されています。
イオン化酸素が青、イオン化水素が緑、イオン化硫黄は赤に設定され、このカラー写真は作られています。
この星雲は2009年に新たに搭載された最新鋭の高解像度カメラ「広視野カメラ3」で、2015年に改めて撮影されています。
なんだか手のようにも見えますが、これは柱や鹿の角といった表現をされています。
星雲は水素ガスや塵などが密集したもので、新たな星を生み出すためのインキュベーター(保育器)のと言われています。ちょうど柱の先端部分が活発に星を生み出している領域で、若い星が明るく輝いています。
ここは生まれた巨大な星の放射線によってガスが加熱され、電子と原子がバラバラに電離した荷電粒子の砂嵐状態になっています。その下の領域は、ガスが影になって冷やしているため、長くくねくねした姿で暗くなっています。
若い星は強力な放射線でガスを破壊していくため、こうした星雲はおよそ300万年くらいで蒸発してしまうそうです。
ちなみに3Dに並べ直すと、こんな風になっているそうです。
こうして見ているとサイズ感がよくわからなくなりますが、この指のように伸びた柱は長さが5光年もあります。
さすが宇宙。