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蚊をマラリア感染から守る謎の微生物が発見される!日本のマラリア予防にも最適? (2/3)

2020.05.05 Tuesday

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マラリア感染から蚊を守る仕組みは「ライバル殺し」

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中央にいる色の濃い2匹がマラリア病原虫。虫とついているが単細胞生物である。周囲の丸い円は赤血球。マラリアは赤血球に感染する/Credit:wikipedia

研究者は次にマイクロスポリディアMBがどのようにしてマラリア感染を防いでいるかを調べました。

その結果、マイクロスポリディアMBを体内に持っている蚊は、持っていない蚊に比べて遺伝子の活性度が高いく、盛んにタンパク質を生産していることがわかりました。

そのためマイクロスポリディアMBを持っている蚊は成長が早く、高い回転率で次世代を生み出すことができます。

また特に活性が高かった遺伝子の中には、抗菌作用のあるタンパク質が含まれていました。

このことからマイクロスポリディアMBは、蚊の免疫力を高める益虫だったことがわかりました。

自分を殺す作用のある抗菌物質の生産を加速させることは、マイクロスポリディアMBにとって不利なように思えますが、自分が殺される以上にライバルの寄生体が死ねば、最終的に宿主の体を独占することができます。

その排除されるライバルの中には「マラリア」も含まれていたのです。

マイクロスポリディアMBを使ったマラリア排除は、蚊にとって自然なだけではありせん。

マイクロスポリディアMBを使ったマラリア排除は対決の構図を「人類」VS「マラリア+蚊」から「人類+蚊」VS「マラリア」に変更することができます。

そして対決構図の変化は、今まで敵として殺してきた蚊(特に蚊の免疫力)を人類の味方に引き込むことを可能にします。

人類と蚊は長年の敵でしたが、マラリアに対しては共闘が実現するでしょう。

次ページ日本にとっても、マイクロスポリディアMBは助けになる

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