日本にとっても、マイクロスポリディアMBは助けになる
近年の温暖化の加速によって、マラリアを運ぶ蚊の活動域が北上をはじめています。
東アジアでも、これまでマラリアの感染とは無関係だった地域でも、感染が確認され始めています。
そのため、このまま温暖化が進めば、日本でもマラリアが蔓延する可能性もあります。
人類と蚊の共闘を可能にしたマイクロスポリディアMBですが、完全な効果を発揮するには、特定地域の蚊の40%以上がMBに感染する必要があります。
遺伝子書き換えなどによりマイクロスポリディアMBの感染力を強化できれば時間を短縮できると考えられますが、感染率を既存の9%から40%まで増やすには、やはり時間がかかります。
ですが研究では日本をはじめとした、マラリアがまだ来襲していない地域では、マイクロスポリディアMBを先制的に広められれば、水際で高い防衛力が発揮される可能性を示唆しています。
日本にマラリアが上陸する日がいつかはわかりませんが、予防策として考えておいてもいいかもしれません。
研究内容は国際昆虫生理学および生態学センター(ICIPE)のジェレミー・K・ヘレン氏らによってまとめられ、5月4日に学術雑誌「nature / communications」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-16121-y