5月27日、北イタリア・ヴェネト州ヴェローナ県にある「ネグラール・ディ・ヴァルポリチェッラ」で、古代ローマ時代の遺跡の一部が発見されたと海外メディア「smithsonian magazine」などが報じています。
ヴァルポリチェッラは赤ワインの名産地として有名で、今回の遺跡もブドウ畑の数メートル下から出土しています。
この場所は、20世紀初頭から「ヴァルポリチェッラには何らかの歴史的遺物が埋められている」と言われてきました。そんな注目を集める場所から見つかったものは、一体何だったのでしょうか。
ブドウ畑の下から
1922年、ヴァルポリチェッラの町の上にある丘陵地で、古代ローマ時代の住居跡が見つかりました。しかしそれ以降、現在に至るまで、100年近くも調査されてきませんでした。
結局、ヴェローナ考古学研究チームが同地の再調査を開始したのは、昨年夏のことです。
途中、新型コロナウイルスにより一時中断するという騒ぎはあったものの、ブドウ畑の一画から今回の発見がなされています。
床板には、小さなタイルを敷き詰めて図像を形づくるモザイクという手法が使われていました。
居住者や時代背景などは分かっておらず、現在も調査が続いていますが、何らかの建築物の一部であったのは確かです。
ネグラール・ディ・ヴァルポリチェッラ市長のロベルト・グリソン氏は「こうした価値ある文化遺産は一般に公開されてしかるべきと考えます。そのため、誰もが観覧できるよう自治体やブドウ畑の所有者と協力していきたい」と話しました。