完全に外部から孤立した湖に住んでいる魚たちの謎
淡水湖の生態系を調べている研究者にとって、孤立した湖に存在する魚の存在は長い間、謎でした。
特に標高の高い場所にあり、他の湖と川で繋がっていないカルデラ湖のような湖は、外部から魚が侵入する余地はありません。
しかしどんなに孤立した湖にも、近くの淡水系と遺伝的に近い魚が住み着いています。
これまでは、そのような「不思議な拡散」は鳥が咥えていた魚を落としたり、足や羽に付着した卵が水鳥によって空輸されるなど、イレギュラーの結果であると考えられていました。
ですがハンガリー、ドナウ研究所に勤めるÁdámLovas-Kiss氏は既存の説に納得できませんでした。
これらの説はいわゆる俗説であり、どれ一つとして科学的に証明されたものではなかったからです。
そこでÁdámLovas-Kiss氏は、植物の種の拡散を模倣した、独自の仮説を構築しました。
すなわち、魚の卵も植物の種のように、鳥に食べられることで他の湖に拡散している…とするユニークな説です。
しかし問題は、どうやってそれを証明するかでした。