南極大陸はかつて「架け橋」となっていた
その根拠となるのが、大陸の分裂と移動です。
かつて地球上の大陸は、互いにひとつに繋がった超大陸・パンゲアを形成していました。それが約1億8000万年前に、北のローラシアと南のゴンドワナに分裂し始めます。
さらに、ゴンドワナは、6500万年前頃から、今日の南アメリカ・アフリカ・オーストラリア・インド・南極へと分かれていきました。
その分裂初期、南極大陸は、オーストラリアと南アメリカを中継する架け橋だったのです。つまり、当時のカエルは、オーストラリア〜南極〜南アメリカへと移動可能だったと考えられます。
そして、大陸の移動が進み、二度と元の大陸に戻れなくなると、それぞれの地で違う道を歩んでいったのでしょう。南極で見つかったカエルの化石は、まさしくゴンドワナの分裂と移動の事実を裏付けています。
また、カエルの化石は、南極が寒冷化する以前の環境についても教えてくれます。研究チームによると、カエルが生きた当時の南極は、温暖で湿潤な気候に、年間降水量がおよそ900ミリに達していたとのことです。
不運にも南極に残ったカエルは、その後の寒冷化を生き伸びることができず、絶滅していきました。
しかし、かつての南極には、このようなユートピアが広がっていたと思われます。
研究の詳細は、4月23日付けで「Scientific Reports」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-020-61973-5
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
Nazologyについて
記事一覧へ