新物質が作る未来
この新物質を使えば、新たな蓄熱システムを構築することが可能です。
発電所で発生した排熱は熱水として廃棄されますが、新物質の配置されたパイプなどで吸熱され、低温の状態で排水されます。
これにより、熱水が排水されるような周辺環境への被害をなくすことができます。
新物質の蓄えた熱エネルギーは保存が可能であり、さらにトラックなどを使って熱エネルギーを保持したまま輸送することも可能です。
こうして発電所で発生した排熱は、ムダに捨てられることなく、都市部などで再利用したり、時間を置いてから別の施設で利用するための熱として再利用することができるようになるのです。
実験ではこの新物質は、熱エネルギーを蓄えたλ相の状態を8カ月から1年もの間、完全に維持することができたといいます。
この技術によって、お湯が安価に利用できたり、街に安い温泉施設が増えたりするかもしれません。
この研究は、東京大学、パナソニック株式会社などの共同研究グループより発表され、論文はオープンアクセスの学術雑誌『Science Advances』に7月1日付けで掲載されています。
https://advances.sciencemag.org/content/6/27/eaaz5264
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