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Credit:Stephen Rowland
paleontology

3億年前の「脊椎動物の足跡」が米グランドキャニオンで見つかる。足跡化石の”最古の記録”を更新! (2/3)

2020.08.28 Friday

前ページ偶然が重なって見つかった太古の足跡

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歩行パターンから非常に初期の四脚脊椎動物だったと明らかに

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化石のような足跡がつくあるき方のイメージ。砂丘を斜めに登っていったと考えられる。/Credit:Emily Waldman,Stephen Rowland et al.,PLOS ONE(2020)

分析の結果、これは四脚脊椎動物のもっとも古い足跡だとわかりました。

特徴的な足跡のパターンは、この生き物が砂丘を斜めに登って行ったためだと推測されます。このときこの生き物は側面歩行を行っていたようです。

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側面歩行シークエンス。/Credit:Stephen Rowland et al.,PLOS ONE(2020)

これは四脚の動物が見せる片側の脚が連続して動き、その後反対側の脚が追従して同じように動く歩き方で、イヌやネコなども、ゆっくり歩くときこの動き方を見せます。

この足跡の化石は、脊椎動物の歴史の非常に早い段階から、この歩行方法が実行されていたことを示す記録です。

この歩き方を実行した理由が、斜面の勾配によるものなのか、風の影響なのかはわかりませんが、足跡の特徴は3億1300万年前に砂丘地帯だったこの場所に、有羊膜類が住んでいたということを示唆しています

有羊膜類は両生類から進化した、完全に陸生に対応した生物で、完全な肺の呼吸器官を持ち殻のある卵を陸上で生みます。

爬虫類や哺乳類はここから派生して進化したと考えられています。

今回その痕跡が発見された地層は、有羊膜類が登場したと考えられる年代より800万年も古いものだったといいます。

これは古生物学の歴史に修正を迫る新発見なのです。

次ページ足跡は2匹分存在している

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