光吸収量を2倍以上にするソーラーパネルデザイン
光吸収量を2倍以上にするソーラーパネルデザイン / Credit: Davide Zecca
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ソーラーパネルの表面を「単純な模様」にするだけで、光の吸収量が2倍になる! より発電効率の良いモデル生産へ前進

2020.10.19 Monday

石炭などの資源は有限かつ環境汚染の問題があるため、よりクリーンで持続性のある太陽光が注目されてきました。

そんな中、イギリス・ヨーク大学の太陽光発電研究者であるクリスチャン・S・シュスター氏ら研究チームは、10月8日付けで科学誌『Optica』に、新しいソーラーパネルの表面構造を発表しました。

彼らによると、ソーラーパネルの表面を単純な模様にするだけで、光の吸収量が2倍以上になるとのこと。

sciencealert https://www.sciencealert.com/checkerboard-design-for-solar-panels-boosts-light-absorption-by-125-study-shows

太陽光発電の効率を上げるには?

ソーラーパネルの普及には効率上昇が不可欠
ソーラーパネルの普及には効率上昇が不可欠 / Credit:depositphotos

太陽の利用は、資源とエネルギー、環境の問題を解決するための重要な手段です。そのため、より効率的な太陽光発電の研究が進められてきました。

ちなみにこの効率には、ソーラーパネルの薄さを追求することも含まれます。ソーラーパネルに必要なシリコン製造には多くのエネルギーを消費するからです。

つまりより薄く、より軽く、より柔軟で効率的なソーラーパネルが求められてきたのです。

こうした背景にあって、科学者たちは、夜間でも発電できる「アンチソーラーパネル」や「藻類を利用した集光技術」、さらには「透明なソーラーパネル」などを開発してきました。

また多くの研究機関はソーラーパネルの表面構造に調整を加えることで、太陽光の吸収率を上げようともしてきました。

以前から採用されてきた方法に、「ソーラーパネルの表面構造に凹凸層をつくる」というものがあります。凹凸によって光の反射をコントロールし、光の吸収率を上げるのです。

この表面構造のバラエティに注目したのが、シュスター氏らの研究チームです。彼らはいくつかの凹凸模様の集光率を調査し、模様によって太陽光発電の効率が上昇するか確かめました。

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