音楽でゾクゾクするとき脳内の電気密度も本当に上がっている
音楽でゾクゾクするとき脳内の電気密度も本当に上がっている / Credit:Frontiers in Neuroscience
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音楽が「ゾクゾク感」と「鳥肌」をもたらす仕組みを解明!なぜ人類には音楽が必要なのか (2/3)

2020.11.05 Thursday

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音楽と予測能力の意外な関係

最も大きな変化がみられたのは前頭葉の一部だった
最も大きな変化がみられたのは前頭葉の一部だった / Credit:Frontiers in Neuroscience

音楽と快楽の謎を解きほぐすために、研究者はより詳細な分析を行いました。

結果、ゾクゾク感が生じた時には、感情処理にかかわる眼窩前頭皮質(前頭葉の一部)において、波であるシータ波の増加が確認されたとのこと。また同時に体の原始的なリズム制御にかかわる運動野、そして聴覚と非言語コミュニケーションにかかわる右側側頭葉でも大きな変化がみられたことがわかりました。

前頭葉におけるシータ波の増加は、過去の成功体験や成功を予測・確信した時に作動する報酬反応にかかわっていることが以前の研究により知られています。

さらに2011年に『Nature neuroscience』に掲載された論文では、音楽による快楽が盛り上がりのピーク時だけでなく、盛り上がりを予測させる部分でも多く発生していることが示されました。

このことから、研究者たちは音楽が快楽を発生させるのは、人間が持つ「予測能力」を間借りする形で、報酬系を活性化させているからだと考えました。

予測は生存と深くかかわっており、脳にとっても生物学的なご褒美(快楽物質)を与えるに値します。

次ページ音楽のための「先祖の機能」があるかもしれない

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