ハトのナビゲーション能力と都市の捕食者不足
ハトの優れたナビゲーション能力も、都市での生活に適しています。
実際、ハトは数百~数千キロメートルにわたって正確に移動でき、その能力は「鳩レース」に生かされています。
研究によるとハトが低周波信号を使用し、独自のマップを作成できるかもしれないとのこと。
また、ハトの目は5つの色受容体を有しており、3つの色受容体をもつ人間では想像もできない光景を見ていると言われています。
低周波信号と5つの色受容体が複雑な街並みで生活するのに役立っているのです。
さらに、都市部における捕食者不足もハトに有利なかたちで働いています。
ハヤブサやタカは頂点捕食者として君臨してきましたが、彼らの数は都市で減少しています。
これには殺虫剤DDTの使用によって、猛禽類の卵の殻が非常に薄くなったことも関係しているかもしれません。
さて、ハトが都市にたくさん生息する理由は、ハトにとって都市が食料と住処に困らない場所であり、それにより交尾の時間が増えたからでした。
またハトのナビゲーション能力や捕食者不足も都市生活に都合の良いものだったのです。
ハトが爆発的に増加するにつれて、私たちとハトの関係は変化してきました。
かつて仲間として連れてきたハトも、今では害鳥として認識している人が多いのではないでしょうか。