中東に油田がたくさんある理由
石油は地球上にたくさんあり、把握しているだけで、約6万5000ヶ所の油田が存在します。
一方で、どの石油がいつ、どこでできたかを特定するのは困難です(石油は地下を移動するため、周囲の岩石による年代測定ができないため)。
石油の年代測定には、一般に「バイオマーカー(生物指標)」が使われます。
バイオマーカーとは、年代ごとの生物に特徴的な有機物質を見る方法です。
例えば、「オレアナン」という化合物は花を咲かせる植物のみに見られるので、被子植物が繁栄した白亜紀以降の石油と判断できます。
この手法で見つかった最古の石油は、5億4000万年前という複雑な生命体が登場する以前のもので、新しいものでは500万年しか経っていない石油もあります。
そして、石油生成の黄金期は、2億〜1億4500万年前の「ジュラ紀」でした。
このとき、かつての超大陸である北のローラシアと南のゴンドワナに挟まれた「テチス海」で、膨大な量の石油が作られました。
その後の大陸移動でテチス海は消滅したものの、海底に眠る石油はそのまま残されました。
その場所に当たるのが、今の中東なのです。
中東だけで得られる産油量は世界の3分の2を占めており、世界各地に輸出されています。
石油のおかげで人類の暮らしは豊かになりましたが、問題点は山積みです。
環境へのダメージは大きいですし、それをめぐって戦争が起きたことすらあります。
人類が石油なしで暮らせる日は来るのでしょうか?