体との接続がなければ脳は生きられない
今回の研究により、培養臓器からなる疑似人体が、人体実験の代用になることが示されました。
また体との接続によって、培養脳がある種の「目覚め」を起こし、より本物の人間に近い性質を獲得することも示されました。
この結果は、消化器官と脳が生きている人間の体においても密接にかかわりあいながら、互いを調整していることを示しているのかもしれません。
そのためSFのように脳を単独で培養液に浮かべておくことは、これら調節を放棄することにつながる危険なおこないと言えるでしょう。
もし SFのように生きている脳を培養液に浮かべる必要があったとしても、今回の実験と同様、疑似的な体との最低限の接続が必要だと考えられます。
研究者たちは将来的には、より本物の人間に近い疑似人体の作成を目指していくとのこと。
完璧な疑似人体が完成すれば、人体実験の代理として科学の発展に大いに貢献してくれるでしょう。