エナジードリンクのデメリット 精神的な健康問題
エナジードリンクは、カフェイン、ガラナ、砂糖、高麗人参、アステルパームなどの成分の混合物で、気分の向上や覚醒、生産性の改善などの効果を期待して利用されています。
しかし、あまり有益でない副次効果が長期的に現れる恐れがあるという指摘もあり、不安、うつ病、ストレスの増加など精神的な健康に関する影響調査もおこなわれていました。
ただ、こうした研究のほとんどは横断的研究でした。
横断的研究というのは、幅広い年齢層や異なる集団に対してその影響を調べるものをいい、比較的短期間でさまざまなデータを得られる一方、同一の対象者を追跡した調査は行わないため、長期的な影響については明らかにできません。
そこで、西オーストラリア大学の研究チームは20歳の成人について、2年間に渡るエナジードリンク利用とメンタルヘルスに関する縦断的研究を行ったのです。
縦断的研究というのは、同じ対象者を一定期間追跡して調査することで、長期的な影響を見る研究をいいます。
縦断的研究の方が、横断的研究より手間や期間、費用がかかるため大変な研究です。
研究では、親の精神状態とアルコールおよびタバコの消費量、違法薬物の使用歴、食事パターン、収入、BMI(肥満度)、運動の頻度などの要因を考慮した上で、エナジードリンクの利用者と非利用者に分けて、気分に関するアンケート調査がメインに実施されました。
そして2年間の調査の結果、チームはエナジードリンクの消費量の変化とストレスコア(不安やうつ病)の増加に有意な関連性があったと報告しています。
ただ、食後のコーヒーなどのように習慣的に飲用されるものと違い、エナジードリンクの使用はかなりランダムです。
また、エナジードリンクを多用する人は、そもそもストレスや疲労の多い状況に追い込まれている可能性が高いため、この関連性は単純にエナジードリンクの消費量が原因と完全に指摘できるかは疑問が残ります。
これについては、研究チームも認めていますが、エナジードリンクの成分にはうつ病、ストレス等の症状を悪化させる可能性がある点は注意するべきだと語っています。
特にメンタルヘルスに関する自己報告は、過小評価または過大評価される傾向が強いため、将来的には測定値を増やして、さらなる研究を進める必要があるようです。