鼻の免疫細胞がストレスホルモンに反応
高市氏は、「日々の診療の中で、精神的ストレスによって症状が悪化したというアレルギー患者に出会うことが多い」と述べており、今回の研究のきっかけになったとのこと。
研究の対象になったのは、ストレスホルモンである「コルチコトロピン放出ホルモン(CRH:corticotropin releasing hormone)」です。
CRHは人が精神的ストレスを感じたときに分泌されるため、「ストレス応答ホルモン」として知られています。
またこれまでの研究によって、ヒト鼻粘膜にある免疫細胞「肥満細胞」が、CRHの受容体をもっていると判明していました。
つまり鼻の免疫細胞にはストレスホルモンに反応するスイッチがあるのです。
アレルギーとは免疫細胞の過剰反応であるため、「ストレス→ストレスホルモンCRH→免疫細胞→アレルギー」の導線が見えてきました。
そこで研究チームは、CRHがヒト鼻粘膜内のアレルギー発症に関わっていると仮説を立て、実証するための研究を行いました。