協力プレイでキャップのフタを開封⁈
その瞬間は今週25日、ブラジルのサンパウロで、昼休み中の職員により目撃されました。
手元に置いていたファンタオレンジのキャップに2匹のハチが飛来し、おもむろにフタを開け始めたというのです。
そこで急遽、カメラを回した映像がこちら。
Here’s a couple of smart bees opening a soda bottle 🐝 pic.twitter.com/zd0d61Y1J3
— Banana for scale 🍌📏 (@scale_banana) May 25, 2021
この映像はTwitterに投稿され、またたく間に話題を呼びました。
もちろん、がっちりと締められたキャップのフタを回して開けたわけではありません。
フタは最初からかなり緩んだ状態で置かれ、その隙間から漏れ出るファンタの甘い香りに誘われてハチがやってきたとのこと。
いずれにせよ、そのすごさに変わりありません。
動画内では、2匹のハチがちゃんとフタを反時計回りに回している様子が見られます。
そのことから、SNS上では「ごく小さな脳の中に、どうしてこのような知性が存在しうるのか」という疑問の声が上がりました。
しかし、近年分かってきたことは、動物の賢さは脳の大きさがすべてではないということです。
ハチのように小さな生物は、脳細胞がコントロールする体の大きさが圧倒的に小さいので、自然と脳も小さくなります。
また、認知機能の高さは「脳のサイズよりも、神経細胞間の接続の複雑さによる」とする研究結果もあります。
それを実証するかのように、ミツバチの脳では、1つの神経細胞が10万個もの他の細胞と接触することがある(The World, 2017)のです。
ハチの脳は、私たちの0.0002%にも満たないのですが、高い学習能力を発揮します。
ただ、今回のケースから「ミツバチが意図してキャップのフタを回し開けた」と断言することはできません。
中の甘い水を手に入れるため、本能に従って、やや盲目的に行動したとも考えられます。
それでも、2017年の研究では、マルハナバチがボールをゴールに転がすことで報酬を得られるという実験にクリアしていました。
今では、多くの専門家が「ハチには、ある目的を達成するために道具の扱い方を学習する能力がある」と考えています。
ハチの賢さはまだまだ未知数ですが、屋外でのランチ時は、手元の飲み物に注意した方がいいかもしれません。