老化は単純に衰えるだけではなかった
![老化現象には細胞を活性化させるものもある](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2021/06/e397d77241add4b6b91a99f384b197e4-900x506.jpg)
今回の研究により、白髪が元に戻る現象について様々な新事実が示されました。
ストレスによる白髪は脱ストレスにより再び色素化するという結果は、哺乳類に共通した老化現象だと考えられていた白髪化が、心によって部分的に逆転し、若返り(色素化)することを示します。
一方で詳細な分析により、ストレスによる白髪化が色素化に必要な因子を失った結果ではなく、ミトコンドリア量の増大をはじめとした様々なタンパク質の異常活性により起こることが示されました。
もしかしたら若さや健康というものは、単純な活発さよりも調節能力にこそ本質があるのかもしれません。
なお、今回の研究で白髪化と再色素化が確認された被験者の多くは中年に位置する人々でした。
中年の人々は自然な老化による白髪化の圧力にさらされた状態にあり、ストレスによる圧力が白髪化の「しきい値」(最後の一線)を超える後押しになっていると考えています。
研究者たちは今後、ストレスによる白髪化の解明を進め、老化と心とミトコンドリアの関係を調べていくとのこと。
成功すれば、未来の世界では飲む髪染めやミトコンドリアをターゲットにした抗老化剤や精神薬が開発されるかもしれません。
※この記事は2021年6月公開のものを再掲載したものです。
非常に興味深い記事でした。
ありがとうございました。