他人の咀嚼や貧乏ゆすりを見るとイライラしますか?
他人の咀嚼や貧乏ゆすりを見るとイライラしますか? / Credit: jp.depositphotos
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咀嚼や貧乏ゆすりにイライラする「ミソキネシア」は、3人に1人に存在すると判明 (2/2)

2021.09.05 Sunday

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3人に1人が「ミソキネシア」を経験している

調査では、大学生と一般社会人を含む4100人以上を対象に、ミソキネシアの有病率を算出。

その結果、約3分の1の人が、日常生活で遭遇する他人の反復的な行動に対して、ある程度のミソキネシア感受性を持っていることが判明しました。

この結果は、ミソキネシアが臨床現場に限定されたものではなく、広く一般層にも共通する、これまであまり認識されていなかった普遍的な心理的問題であることを裏付けています。

分析結果によると、この現象は個人差が大きく、刺激因子に対する感度が低い人もいれば、かなり深刻な人も見受けられます。

たとえば、他人の咀嚼や貧乏ゆすりに耐えられる程度の人もいれば、中には、少しでも見ると強い嫌悪感を抱く人もいました。

そうなると、他人との会食やコミュニケーションも困難になり、社会的孤立に陥るリスクも高まってしまいます。

ミソキネシアが深刻化すると、コミュニケーション不全に陥る
ミソキネシアが深刻化すると、コミュニケーション不全に陥る / Credit: jp.depositphotos

一方で、ミソキネシアがどのようなメカニズムで発生するのかは分かっていません。

本研究では、「反射的な視覚注意システムが鋭敏すぎるのではないか」という仮説を立てて実験したものの、期待した結果は得られませんでした。

その中で、研究チームは「脳内のミラーニューロンが関係しているのではないか」と新たな仮説を立てています。

ミラーニューロンとは、自分が実際に行動する時と、他人の行動を見ている時の両方で活性化する神経細胞です。

他人の行動を見る時に、まるで自分が同じ行動を取っているかのように反応することから「ミラーニューロン」と呼ばれます。

たとえば、誰かが傷ついているのを見ると、その痛みが脳に反映されて、自分も悲しくなるといったケースです。

ジャスワル氏は「ミソキネシアの場合は、他人のそわそわの原因となる不安や緊張、苛立ちが反映されて、見ている自分もイライラしてくるのかもしれない」と推測しています。

しかし、これはまだ仮説の段階であり、それを証明するにはさらなる研究が必要です。

ただ一つだけ確かなことは、ミソキネシアが珍しい症状ではなく、多くの人が同じ悩みを抱いているということでしょう。

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