虐待を受けた人は「異常に重たい愛情」をパートナーに求める
子供のころに虐待を受けていた人は、成人期にさまざまな精神障害を発症させることが知られています。
しかしこれまでの研究では「虐待と成人期のうつ病」、「虐待と成人期の人間関係の質」など、精神障害は分野ごとに個別に調べられることが多く、複数の要因を結び付けた研究はほとんど行われていませんでした。
そこで今回、ライデン大学の研究者たちは2000人の被験者の精神状態を9年間にわたり追跡。
子供時代に虐待を受けた人々の「うつ病」「不安症」「アルコール依存」「愛着の型」「人間関係の質」の全ての要因の相互作用を調査することにしました。
結果、虐待を引き金にした関連性には、主に2つの流れがあることが判明します。
最も有力な流れは「異常愛着型」です。
典型的な「異常愛着型」の辿る経路は
「子供時代に虐待を受ける」→大人になって「うつ病」「不安症」の発症→「自信の喪失」→「パートナーへの依存」→「異常に重い愛着」と「関係へのしがみつき」→「人間関係の質の低下」「交際期間の短縮」
となります。
「子供のころに虐待」を受けた人間は「うつ病」や「不安症」を発症しやすくなり、自分に対する「自信が失われ」ることになります。
すると、自分に少しでも好意を向けてくれる人間に対して「異常に重い愛着」を向け「関係に依存」を深めていきます。
しかしそのような極端な愛情と度が過ぎる依存は人間関係に「しがみつき」を発生させ、パートナーは困惑し、疲れ果て「人間関係の質が大幅に低下」そして「関係が短期間で終わって」しまします。
何も知らない人がみれば「典型的なヤンデレ」と思うかもしれません。
しかしこの流れは、子供のころに虐待を受けた人々が、実際に経験してきた現実であり、虐待によって誘引された結果でもあるため、軽々しくみることはできません。
一方で、子供のころに虐待を受けた人は、真逆の反応をみせることもありました。