ホットドッグを1個食べると寿命が36分短くなる?
ホットドッグを1個食べると寿命が36分短くなる? / Credit: jp.depositphotos
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ホットドッグ1個食べると寿命が36分減るという研究

2021.10.06 Wednesday

体に良い食べ物、悪い食べ物は数あれど、それらが私たちの人生にどれだけの影響を与えるかは、具体的に分かっていません。

しかしこのほど、ミシガン大学(University of Michigan・米)の研究チームは、日常的に摂取される食品が、健康寿命にどれだけプラス/マイナス(分単位)になるかを算出する画期的な研究結果を発表しました。

それによると、ホットドッグを1個食べるごとに、健康寿命は36分短くなることが示唆されています。

反対に、果物やナッツ類、豆類、非デンプン質の野菜を食べると、健康寿命はプラスに加算されるようです。

研究は、8月26日付けで学術誌『Nature Food』に掲載されました。

Eating a hot dog could shave 36 minutes off your lifespan https://www.zmescience.com/medicine/eating-a-hot-dog-could-shave-36-minutes-off-your-lifespan/ Eating a hot dog could take 36 minutes off your life, study says https://edition.cnn.com/2021/08/27/health/hot-dog-could-shorten-life-trnd-wellness-scn/index.html
Small targeted dietary changes can yield substantial gains for human health and the environment https://www.nature.com/articles/s43016-021-00343-4

加工食品は寿命を減らす

本研究では、アメリカ人の食生活に含まれる5853種類の食品を対象とし、それらが健康寿命に与える時間的な影響を分単位で算出しました。

研究チームは、食品ごとの算定に当たり、「健康栄養指数(Health Nutritional Index、HENI)」という指標を用いています。

HENIは、個人の食品の選択に関連した病気の罹患率や死亡率を調査した研究にもとづくデータです。

このデータは、牛乳、ナッツ類、果物、野菜、魚介類のオメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(PUFA)といった健康に有益な食品や、加工肉、トランス脂肪酸、砂糖入り飲料といった有害な食品など、幅広くカバーしています。

これらをもとに、各食品1グラムを摂取した場合に、失われる/得られる健康寿命の分数を割り出しました。

例をあげると、加工肉1グラムを摂取すると寿命が0.45分失われ、果物1グラムを摂取すると寿命が0.1分プラスされます。

この推定値を用いて、アメリカ人が好んで食べるホットドッグの健康寿命への影響を計算。

その結果、バンズに挟まれた標準的なビーフホットドッグは、加工肉61グラムで27分の寿命喪失に相当し、これにナトリウムやトランス脂肪酸の成分が加わると、喪失時間は計36分に増えることが示されました。

ケチャップ、マスタード、マーガリンなどの量次第では、喪失時間がさらに増えるかもしれません。

ホットドッグ1個で寿命が36分短くなる?
ホットドッグ1個で寿命が36分短くなる? / Credit: jp.depositphotos

他にも、ベーコンは1食あたり約6分30秒、ピザ1切れあたり7分8秒、ダブルチーズバーガー1個あたり8分8秒という喪失時間が算出されました。

これに対して、健康寿命を延ばす食品は、ナッツ・豆類、果物、非デンプン質の野菜、海産物などが挙げられます。

具体的には、サーモン1食あたり約13分5秒、バナナ1食あたり約13分30秒、アボカド1個あたり2分8秒のプラス効果があると推定されました。

魚介類は、10分程度から70分程度の寿命延長まで幅広くありましたが、これは健康に良いオメガ3脂肪酸の含有量が種類によって大きく異なることに起因します。

果物は健康寿命にプラスの効果がある
果物は健康寿命にプラスの効果がある / Credit: jp.depositphotos

一方で、研究主任のオリビエ・ジョリエ氏は「これらの推定値は完全に正確なものではなく、効果には個人差もあり、特定の食品に対する反応も人によって違う」と指摘。

その上で「消費者がより健康的な食生活を選択するためのガイドラインとして役立てられるようにしたい」と述べています。

現代の栄養学研究では、加工食品が心血管疾患やガンの発症率および、それに伴う死亡率の増加に関与していることが分かっています。

間違っても「ホットドッグ1個で寿命が36分減ったから、リンゴ1個を食べて相殺すればいい」などと考えないようにしてください。

肝心なのは、加工食品やファストフード、砂糖入り飲料の摂取を控えることです。

食品の食べ合わせで寿命の増減をプラマイゼロにできるほど、健康管理は単純ではありません。

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