子どもの好き嫌いはなぜ生まれるのか?
幼少期の食べ物に対する好き嫌いは、全員が経験しているかもしれません。
なぜ子どもは特定の食べ物を嫌い、時にそれを絶対に受け付けないのでしょうか。
研究チームは、幼少期から思春期にかけて双子の食の好みを追跡し、多くの好き嫌いが遺伝によって決まることを明らかにしました。
この研究では、一卵性双生児と二卵性双生児を比較することで、遺伝的要因と環境的要因の影響を分離して解析しました。
一卵性双生児は100%同じ遺伝子を共有しています。
そのため、一卵性双生児が示す食の好き嫌いの類似性が高い場合、その傾向は遺伝的要因の影響を強く示すものだと考えられます。
一方、二卵性双生児は50%しか遺伝子を共有していないため、彼らの間で見られる食の好き嫌いの類似性は、主に家庭環境や育った環境による影響を反映しています。
実際にこの研究では、一卵性双生児の間での食の好き嫌いの類似性が二卵性双生児よりも高いことが確認されました。
この結果から、3歳から13歳の子どもたちの食の好き嫌いは約80%が遺伝によるものだとわかりました。
このことから、食べ物の好き嫌いには遺伝子の影響が強いと結論づけられました。
つまり、好き嫌いは単なる「わがまま」や「気まぐれ」ではなく、生まれ持った遺伝子によって強く影響されていることが示唆されています。
親が子どもに新しい食べ物を勧めても、子ども自身の遺伝的な特性が食べ物の選好に影響を与えるため、ある程度の限界が存在します。
そのため、好き嫌いを「治す」ことが難しい場合があることも理解できますね。
ただし、好き嫌いは遺伝的要因だけが全てではありません。
特に幼少期においては、家族で食卓を囲む習慣や、さまざまな食材に触れる機会など、家庭環境が食の好みに与える影響も強く働きます。
しかし、こうした環境要因の影響は年齢とともに徐々に薄れていきます。
そのため、好き嫌いを克服するためには、幼少期に新しい食材に触れる機会を多く持つことが重要です。
この時期に新しい食品に慣れることで、成長過程における好き嫌いの軽減が期待できます。
一方で、子どものころ苦手だった食べ物が、大人になると自然と食べられるようになった経験はありませんか?
これはどういう要因から起きるのでしょうか。