1回の運動には即時的な「抗うつ」効果がある
研究チームが今回注目したのは、「単発の運動がどれほど速く気分に影響するのか」という点でした。
これまで定期的な運動がうつ症状を軽減することは多くの研究で示されていましたが、1回の運動が生む即効性については、科学的に十分な説明がありませんでした。
そこで研究チームは、40名の大学生と職員を対象に、中強度のランニングを30分行う実験を実施しました。
参加者の半数は不安や抑うつの症状を持ち、残りの半数は症状のない人たちでしたが、全員が同じ条件でトレッドミル上を走りました。
そして運動の前後で気分状態を詳しく調べたところ、ネガティブな感情が減り、活力や自尊心が上昇するという変化が見られました。
特に、もともと不安や抑うつの自覚があった人たちでも、30分後には「気分の落ち込み」や「うつっぽさ」が和らいでいたことが確認されました。
この結果は、単発の運動が実際に即時の気分改善をもたらすことを、人間で示したものです。
こうした変化が脳のどの仕組みによるものなのかを探るため、研究チームは動物実験でも同じ問いを検証しました。
慢性的なストレスで「うつ様状態」にしたマウスに対し、30分間のランニングを1回だけ行わせ、その後の行動の変化を追跡したのです。
その結果、運動後およそ2時間以内に抑うつ行動が改善し、その効果は24時間まで続いていることが分かりました。
一方で48時間後には行動が元の状態に戻っていたため、この効果は短期間に現れる即効性の変化だと考えられます。
次に研究チームは、脳全体の活動を詳しく解析し、運動によってどの部位が特に反応しているのかを調べました。
その結果、運動直後に強く活動していたのは前帯状皮質と呼ばれる領域であり、ここは感情の調整やストレスへの反応に関わる場所として知られています。
また、この前帯状皮質の中でも、興奮性のニューロンが特に強く反応していることが分かりました。
研究チームが運動の前にこの興奮性ニューロンの働きを薬で抑えると、その後に運動をしても気分の改善効果は見られなかったのです。
逆に、運動をさせなくてもこのニューロンを人工的に活性化すると、運動をしたときとよく似た抗うつ効果が現れました。
このことから、前帯状皮質の興奮性ニューロンが、単発の運動による即時の気分改善を生み出す中枢的なスイッチであることが示されました。
では、どうして運動にそのような効果があるのでしょうか。
研究チームはそのメカニズムをも分析しています。


























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