ミツバチから生まれたシンプルな飛行システム
ほとんどの飛行ロボットには、ギアやモーターが欠かせません。
例えば、プロペラで飛行するには、まずモーターで動力を生み出し、それをギアで変換してプロペラに伝えなければいけません。
エネルギーを使って飛行するためには、部品同士をつなぎ合わせた「伝達システム」がどうしても必要なのです。
しかし、これら複雑なシステムは故障の原因にもなりやすく、搭載することでロボット自体が重くなります。
私たちが飛行ロボットに求めている「安定感」や「エネルギー効率」とは、相反するものなのです。
実際、これまでに開発されてきた小型羽ばたきロボットも、翼を上下させるためにモーターやギアを使っており、複雑で重くなっていました。
では、もっとシンプルな飛行システムはないのでしょうか?
研究チームは、ミツバチなどの昆虫がもつシンプルな構造を参考にして、モーターやギアを使わない羽ばたきシステムを開発することにしました。