オパールのハイドロフェン効果
オパールの中でも、特にエチオピア産のもので多く見られる効果として「ハイドロフェン効果」が挙げられます。
オパールは鉱物(準鉱物)の中でも水分を含んでいる珍しい石です。
オーストラリア産オパールやメキシコ産オパールがおよそ10%前後の水分を含んでいる事に対し、エチオピア産オパールは18%ほども水分を含んでいるといわれています。
また、吸水性も、エチオピア産のオパールは他の産地のものに比べて高い特徴があります。
そのため、水に漬けると水を吸収し、その分だけ透明になるのです。
なお、一度水に漬けると永久に透明なまま…というわけではなく、水分が抜けると、元の透明度に戻ることも特徴です。
エチオピア産オパール以外にも、メキシコ産オパールの一部にもハイドロフェン効果を持つものがあります。
なお、オパールが吸水性が高いということは、乾燥に弱いということも同義です。
ハイドロフェン効果を持つかどうかに関わらず、オパールを直射日光に当て続けたりすることは避けましょう。
ハイドロフェン効果を検証してみた
今回、エチオピア産のオパールを実際に水に漬けて、どれだけ透明度が変わるかを実験いたしました。
水に漬けて透明にすると、遊色効果が強まったようにも感じられます。
透明度が増したことで、より多くの光を反射するようになったのかもしれません。
ちなみに、この楽しみ方はオパール好きの共通項なのだなぁ…と思わせるエピソードがあります。
筆者がとあるミネラルショーを訪れた際、立派なエチオピア産オパールを販売している業者の方にお話を伺う機会がありました。
その方は、エチオピア産オパールについてこんなお話をしてくださいました。
「このオパールをね、水に漬けるとどんどん透明になっていくでしょう。
それをぼーっと眺めているのが、本当に楽しいんですよ。
…あ、もちろん売り物じゃなく、個人的に所有しているオパールでやってますよ!」
とても楽しそうなお話に、筆者も「分かります!本当に綺麗ですよね」と思わず反応し、しばし水に漬けたオパールの話で盛り上がりました。
なお、ご自身で実験する際は、通常の水道水やミネラルウォーターではなく、薬局で販売している精製水で試してみることをおすすめします。
通常の水はさまざまな成分が含まれているため、その成分でオパールが傷んでしまう可能性があるからです。
また、実験を何度も繰り返すことでもオパールが傷む可能性があるため、その美しさを長く堪能したい…という方は、上記の画像だけ見てグッとこらえてください。
魔法の石「オパール」の世界
他の国に比べ、日本はオパールの人気が高いといわれています。
角度を変えるごとにうつろう遊色効果の美しさ、石としての儚さに魅力を感じる日本人は多いのではないでしょうか。
そんな見た目の美しさ以外にも、さまざまな魅力を持っているオパール。
その性質を知ることで、オパールのさらなる魅力に巡り会えるお手伝いができたら幸いです。
宝石店やミネラルショーでオパールを見かけた際は、ぜひ当記事のことを思い出してみてください。