皮膚の凹凸「真皮乳頭層」を3Dプリントで再現したロボット指
研究チームは、表皮と真皮の境目にある突出部「真皮乳頭層」とその構造を模倣しました。
人工皮膚の裏側に、3Dプリントしたピン状の「疑似・乳頭層」を作ったのです。
下の画像は3Dプリントされた指先の皮膚であり、たくさんの乳頭が付いているのが分かりますね。
ちなみにこの3Dプリント乳頭層は、生物学の研究で利用されるような高度な3Dプリンタで作成されました。
柔らかい材料と硬い材料を混ぜ合わせることで、人間らしい触覚を生み出せるようにしたのです。
またチームは、この人工皮膚の指先をもつロボットアームも開発しました。
そしてロボットアームで触覚テストを行い、人工神経が示すデータを収集。
その結果、今回記録できた人工神経のデータと、「人間の真皮乳頭層が示す神経データ」のパターンが驚くほど一致しました。
つまり、人間の皮膚構造を模倣した人工皮膚は、人間に近い触覚の神経信号を生み出せると分かったのです。
しかし今回の実験では、人間ほど敏感でない部分もあったようです。
研究チームは人工皮膚が本物の皮膚よりも分厚いことが原因だと考えています。
そのため現在は、より薄い人工皮膚を3Dプリントする方法を探っているとのこと。
見た目だけでなく内部構造まで模倣した人工皮膚。将来的には触覚だけでなく他の感覚も人間と同じレベルまで引き上げられるかもしれませんね。