発泡スチロールを食べられるスーパーワームを発見!
発泡スチロールを食べられるスーパーワームを発見! / Credit: Canva . ナゾロジー編集部
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「発泡スチロール」を食べて消化できるスーパーワームを発見!

2022.06.11 Saturday

プラスチックの大量リサイクルの鍵を握るのは、ワームかもしれません。

このほど、豪クイーンズランド大学(University of Queensland)の研究により、「ゾフォバス・モリオ(Zophobas morio)」というゴミムシダマシ科のワーム(幼虫)に、発泡スチロールを食べて消化できる能力が発見されました。

また、消化能力の秘密は、ワームの中の腸内細菌が作り出す「酵素」にあるとのこと。

この酵素を人工的に生産できれば、廃棄プラスチックの大量リサイクルも夢ではないでしょう。

研究の詳細は、2022年6月9日付で科学雑誌『Microbial Genomics』に掲載されています。

※この記事では実際のワームの画像は最後のページで紹介します。虫が苦手な方の閲覧は2ページ目までにしましょう。

Styrofoam-munching superworms could hold key to plastic upcycling https://phys.org/news/2022-06-superworms-capable-munching-plastic.html Superworms capable of munching through plastic waste https://www.uq.edu.au/news/article/2022/06/superworms-capable-of-munching-through-plastic-waste
Insights into plastic biodegradation: community composition and functional capabilities of the superworm (Zophobas morio) microbiome in styrofoam feeding trials https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/mgen/10.1099/mgen.0.000842

増え続ける「プラスチック廃棄物」をいかに処理するか?

プラスチックは今や、あらゆる生活シーンで使われていますが、その耐久性の高さゆえに、生分解が困難になっています。

(生分解:バクテリアや類などの微生物が、有機物および無機物を分解し、自然に還すこと)

廃棄プラスチックの量は2000年以降、急速に増え続けており、2019年には年間3億5300万トンの廃棄量に達し、過去最高を記録しました。

さらに、経済協力開発機構(OECD)の報告によると、リサイクルできる量は全体のわずか9%で、19%は焼却処分、50%が埋め立て地へ移送、残りの22%は未管理のゴミ捨て場で処分されたり、環境中に漏れ出したりしているという。

ポリスチレンに気泡を含ませて作ったものが「発泡スチロール」
ポリスチレンに気泡を含ませて作ったものが「発泡スチロール」 / Credit: canva

中でも、特に問題視されているのが「ポリスチレン」の処理です。

ポリスチレンは、世界中で最も多く生産されているプラスチックの一種であり、生分解が困難な素材として知られます。

また、ポリスチレンに気泡を含ませて作ったものが「発泡スチロール」で、汎用性が高い分、廃棄量も多くなっています。

この発泡スチロールをいかに処理するかが、専門家たちの大きな争点となっていました。

そして今回、クイーンズランド大の研究チームは、その解決の鍵が「ワーム」の中にあることを突き止めたのです。

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