増え続ける「プラスチック廃棄物」をいかに処理するか?
プラスチックは今や、あらゆる生活シーンで使われていますが、その耐久性の高さゆえに、生分解が困難になっています。
(生分解:バクテリアや菌類などの微生物が、有機物および無機物を分解し、自然に還すこと)
廃棄プラスチックの量は2000年以降、急速に増え続けており、2019年には年間3億5300万トンの廃棄量に達し、過去最高を記録しました。
さらに、経済協力開発機構(OECD)の報告によると、リサイクルできる量は全体のわずか9%で、19%は焼却処分、50%が埋め立て地へ移送、残りの22%は未管理のゴミ捨て場で処分されたり、環境中に漏れ出したりしているという。
中でも、特に問題視されているのが「ポリスチレン」の処理です。
ポリスチレンは、世界中で最も多く生産されているプラスチックの一種であり、生分解が困難な素材として知られます。
また、ポリスチレンに気泡を含ませて作ったものが「発泡スチロール」で、汎用性が高い分、廃棄量も多くなっています。
この発泡スチロールをいかに処理するかが、専門家たちの大きな争点となっていました。
そして今回、クイーンズランド大の研究チームは、その解決の鍵が「ワーム」の中にあることを突き止めたのです。