「隕石衝突」の分析が進められる
恐竜の時代「中生代」を終わらせたのは、「チクシュルーブ衝突体」と呼ばれる巨大隕石だったと考えられています。
1990年代初頭には、メキシコ・ユカタン半島のチクシュルーブ村付近で直径177kmものクレーターが発見されており、ここに巨大隕石が落ちたと推定されました。
この衝突によって大規模な山火事や津波が発生し、地球上の動植物の4分の3が絶滅したのです。
衝突直後の様子についてはあまり知られていませんでしたが、現代の技術を用いて徐々に解明されています。
例えば、2021年のアメリカ・ルイジアナ大学ラファイエット校(ULL)の研究では、2019年にルイジアナ州中央部の地下1500mで発見された「津波の痕跡」が調査されました。
地下の堆積層には隕石衝突時の津波によって波紋が刻まれており、これを分析したのです。
その結果、隕石落下が起こした衝撃はマグニチュード11を超え、発生した津波の高さが1500mを超えていたと判明しました。
そして今回、隕石衝突時の様子がさらに詳しく解明されました。
2022年10月、ミシガン大学のモリー・レンジ氏ら研究チームが、隕石によって発生した津波をコンピュータモデルで再現し、世界中の地質データで裏付けを取ったのです。