全長1メートル半のワニを丸呑み!
ワニを飲み込んだビルマニシキヘビは今月初め、米フロリダ州南部にあるエバーグレーズ国立公園にて、建設現場の作業員により発見されました。
ヘビは現地で安楽死させられた後、研究サンプルとして同州にある獣医病理学ラボに持ち運ばれています。
その研究チームの一人で、モデルとしても活躍するロージー・ムーア(Rosie Moore)氏が、ヘビを解剖する様子を自身のInstagramに公開したことで多くの注目を集めました。
こちらの動画の冒頭で、ムーア氏がInstagramに公開した解剖の様子が公開されています。
動画はすでに1700万回以上も再生され、40万件を超える「いいね!」が付けられています。
この投稿をInstagramで見る
ヘビの全長は約18フィート(約5.5メートル)に達し、お腹の部分が大きく膨れ上がった状態にありました。
研究チームはまずヘビの外皮を、続いてその内側にあるピンク色の胃袋を慎重に切開。
その結果、中から全長1メートル半もあるワニが1匹丸ごと出てきたのです。
研究者いわく「ワニの遺体は、そのまま立ち上がって部屋から出て行きそうなほど綺麗で、目に見える損傷もほとんどなかった」という。
体表はヘビの胃液でヌルヌルしていたものの、消化もまだ始まったばかりだったようです。
ムーア氏は「巨大ヘビは主に鳥類やげっ歯類、哺乳類、他種の爬虫類を好んで狙う」と指摘しつつ、「どれほど一般的であるかは不明ですが、ワニを丸呑みした事例も過去に報告されている」と述べています。
逆に、ワニがヘビを捕食するケースもあり、必ずしもヘビの方がヒエラルキーが上というわけではないそうです。
ビルマニシキヘビは、同属の「アミメニシキヘビ(学名:Python reticulatus)」やアナコンダ属の「オオアナコンダ(学名:Eunectes murinus)」と並び、世界最大のヘビの一種として知られます。
原産地は東南アジアのジャングルや湿地帯ですが、1970年代頃にペットとしてアメリカに輸入されるようになりました。
ところが、飼っていたヘビが逃げ出したり、飼い主によって捨てられたりしたことで外来種として野生化。
最終的に、生息に適した熱帯域のフロリダ南部で爆裂に繁殖し、在来生物をおびやかす存在となってしまいました。
そのため、フロリダ州魚類・野生生物保護委員会(FWC)は、同州でビルマニシキヘビを見つけた場合は、狩猟許可や免許なしでも、人道的に捕獲あるいは安楽死させることを義務付けています。
今回のケースも、その在来生物保護ガイドラインに従って安楽死させました。
ビルマニシキヘビは、幸いなことに、日本の野生下には存在しませんが、遭遇すれば人も食べてしまうほど危険な生物です。
先月末には、インドネシアで行方不明になっていた54歳の女性がニシキヘビの胃袋から見つかるという大変ショッキングなニュースも報道されました(Live Science, 2022)。
また最近の研究では、ビルマニシキヘビは下アゴ骨の間に「超伸縮性」の皮膚を持つことで、他種のヘビより6倍も大きな獲物を食べられることが判明しています。
ビルマニシキヘビを見たいなら、直接ではなく、動物園のガラス越しに会った方がよさそうです。
動画の表示ミスについて修正して再送しております。