加重毛布でADHDの睡眠の質が改善!
本調査は、ADHDと診断されている子供94名(男児54名・女児40名・平均年齢9歳)を対象としました。
実験は保護者の協力のもと、それぞれの自宅で実施し、子供たちには「普通の毛布で寝る条件」と「加重毛布で寝る条件」で4週間ずつ(計8週間)寝てもらいます。
普通の毛布は重さ2キロ、加重毛布は子供の身長・体重・年齢に合わせて6〜10キロの間で最適なものを選択しました。
実験中はウェアラブル装置によって睡眠データを記録し、その後に子供と保護者の両方にアンケートを取ります。
データ収集は2019〜2022年の9月7日〜翌6月4日の間に行われました。
その結果、加重毛布を使用した子供は、普通の毛布を使って寝た場合に比べて、睡眠の質が有意に改善していることが判明したのです。
具体的には、入眠までの時間(SOL)が平均1.74分短くなり、入眠後の覚醒時間(WASO)は平均2.79分短く、反対に総睡眠時間(TST)は平均7.72分長くなり、睡眠効率(SE)は0.82%高くなっていました。
さらにADHDの不注意特性が強い11〜14歳の子供に限定すると、総睡眠時間は平均16分も長くなっていたのです。
これらの結果は、加重毛布がADHDの子供の睡眠の質を安全な方法で改善できることを示しています。
今回の調査は子供を対象としたものですが、先に示したカロリンスカ医科大の研究のように、不眠や不安症を抱える大人でも加重毛布を使うことで睡眠の質が改善することが分かっています。
そのため、ADHDと診断されている人、あるいは日頃から不注意が多かったり、夜中によく目覚めてしまう人は、重い毛布を使って寝ると熟睡できるようになるかもしれません。