人差し指より薬指が長いと「酒飲み」になりやすかった
これまでの研究で、出生前に男性ホルモンのテストステロンに多く晒されていると、出生後に人差し指より薬指の方が長くなりやすいことがわかっています。
この「人差し指」と「薬指」の長さの比率を指し示したものが「2D:4D比」です。
人差し指は2番目の指(2nd digit)だから2D、薬指は4番目の指(4th digit)だから4Dと呼ばれます。
指の長さは出生前にどれだけの性ホルモンを浴びたかに左右されており、男性ホルモンのテストステロンを多く浴びた場合、薬指の成長がより強く促され、女性ホルモンのエストロゲンを多く浴びた場合、人差し指の成長がより強く促されます。
ですから、一般的には男性の方が人差し指よりも薬指の方が長くなりやすく、女性の方が薬指よりも人差し指の方が長くなりやすい傾向があります。
ただし全員が全員そうではありません。
男性でも人差し指の方が長い人もいれば、女性でも薬指の方が長い人もいます。
これらを踏まえて、スウォンジー大学らの研究者たちは次の仮説が成り立つと考えました。
つまり「テストステロン値が高いほど、アルコール摂取量が多いのであれば、人差し指より薬指が長い人ほど、酒飲みになりやすいのではないか」ということです。
そこで研究チームは今回、ポーランドの大学生258名(169名が女性、89名が男性)を対象に「2D:4D比」と「アルコール摂取量」との相関関係を調べてみました。
そしてデータ分析の結果、チームの予想通り、人差し指より薬指が長い人ほど、アルコール摂取量が有意に多くなっていることが判明したのです。
その傾向はやはり、テストステロン値が高くなりやすい男性に顕著に見られ、全体として見ても、女性より男性の方が平均的なアルコール摂取量が多くなっていました。
ただ先ほども言ったように、アルコール摂取量の多さとアルコール耐性の強さとは関係しておらず、お酒をよく飲むからといってお酒に強いわけではありません。
この結果を受けてチームは、薬指の長さがリスクのある飲酒行動やそれに関連する疾患の発症を予測する一つの指標になりうると考えています。
それから当然のことですが、人差し指より薬指の方が長いからといって、必ず酒飲みになるわけでもありません。
皆さんの中にも、人差し指の方が長いけど「俺、ガンガン酒飲むよ」という人もいれば、逆に薬指の方が長いのに「お酒は一滴も飲みませんが… 」という人もいるはずです。
なので、指の長さは酒飲みかどうかを当てる一つの目安として見るのがいいでしょう。
友人や会社仲間で集まって、本当に薬指の長い人が大酒飲みなのかどうか統計を取っているのも面白いかもしれません。