エントロピー重力が映し出す未来――G場の暗黒物質説と量子重力への道

今回の理論が示唆する「重力はエントロピーの結果」という考え方は、私たちが宇宙を理解するうえで、これまで当然としていた“空間の曲がり”だけの説明を超えて、空間や時間そのものを“情報”や“不可逆性”の観点で捉え直す必要があるかもしれません。
たとえば、ブラックホールの内部構造や、“外部に何も情報を伝えない謎の塊”という従来のイメージにも新たな光が当たる可能性があります。
情報理論と統計力学の立場から、「ブラックホールのエントロピーは、実は重力を生む要因そのものと深く結びついているのではないか」と考えられるからです。
さらに、この見方は宇宙膨張にも新しい解釈をもたらします。
一般相対性理論で“与えられる”ものとして扱われてきた宇宙定数が、エントロピーの流れの結果として自然に生じる可能性があるとすれば、宇宙がなぜ加速膨張しているのかを、より根源的なレベルで説明できるかもしれません。
G場という補助場が暗黒物質のように振る舞うシナリオも、その延長線上に提案されています。
ただし、これはあくまで一つの仮説であり、観測データや実験を通じてさらに検証が必要でしょう。
もちろん課題は残ります。
フェルミオン(電子など)やゲージ場(電磁気力など)を含めた場合に、エントロピー起源の重力がどのように振る舞うのか、極端な高エネルギー領域でも理論は破綻しないのかなど、理論的にも数学的にも解明すべきことは多くあります。
しかし、もしこのアプローチと観測データがうまく符合すれば、私たちの「空間とは?」「時間とは?」「重力とは?」というイメージそのものが大きく変わるかもしれません。
たとえばブラックホール周辺の現象や、初期宇宙のゆらぎを精密に観測し、そこにエントロピーの痕跡を見いだすことができれば、“重力=エントロピー”という図式が一層説得力を帯びるはずです。
ブラックホールは穴みたいなイメージがあると思うけど、実は逆で竜巻みたいに周りを巻き込む上昇気流じゃないかと思うことがある。
ただ、竜巻の気流がy軸方向なのに対して、ブラックホールはt軸(未来)方向に吹き上げる。
巻き込まれると上方(未来)に運ばれるが、そのうち雨になって、散り散りになって降って来る…かもしれない。
未来から過去に戻れない時点で、やっぱり未来の方が穴(下向き)っぽい気もしてるが。
宇宙を未来に向かって引っ張っている力の正体は何なんだろうか。