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Credit:Ginestra Bianconi . Physical Review D (2025)
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「重力がエントロピー起源」であることを示す革命的理論が発表 (4/4)

2025.03.10 17:00:04 Monday

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エントロピー重力が映し出す未来――G場の暗黒物質説と量子重力への道

エントロピー重力が映し出す未来――G場の暗黒物質説と量子重力への道
エントロピー重力が映し出す未来――G場の暗黒物質説と量子重力への道 / Credit:Canva

今回の理論が示唆する「重力はエントロピーの結果」という考え方は、私たちが宇宙を理解するうえで、これまで当然としていた“空間の曲がり”だけの説明を超えて、空間や時間そのものを“情報”や“不可逆性”の観点で捉え直す必要があるかもしれません。

たとえば、ブラックホールの内部構造や、“外部に何も情報を伝えない謎の塊”という従来のイメージにも新たな光が当たる可能性があります。

情報理論と統計力学の立場から、「ブラックホールのエントロピーは、実は重力を生む要因そのものと深く結びついているのではないか」と考えられるからです。

さらに、この見方は宇宙膨張にも新しい解釈をもたらします。

一般相対性理論で“与えられる”ものとして扱われてきた宇宙定数が、エントロピーの流れの結果として自然に生じる可能性があるとすれば、宇宙がなぜ加速膨張しているのかを、より根源的なレベルで説明できるかもしれません。

G場という補助場が暗黒物質のように振る舞うシナリオも、その延長線上に提案されています。

ただし、これはあくまで一つの仮説であり、観測データや実験を通じてさらに検証が必要でしょう。

もちろん課題は残ります。

フェルミオン(電子など)やゲージ場(電磁気力など)を含めた場合に、エントロピー起源の重力がどのように振る舞うのか、極端な高エネルギー領域でも理論は破綻しないのかなど、理論的にも数学的にも解明すべきことは多くあります。

しかし、もしこのアプローチと観測データがうまく符合すれば、私たちの「空間とは?」「時間とは?」「重力とは?」というイメージそのものが大きく変わるかもしれません。

たとえばブラックホール周辺の現象や、初期宇宙のゆらぎを精密に観測し、そこにエントロピーの痕跡を見いだすことができれば、“重力=エントロピー”という図式が一層説得力を帯びるはずです。

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「重力がエントロピー起源」であることを示す革命的理論が発表 (4/4)のコメント

ゲスト

ブラックホールは穴みたいなイメージがあると思うけど、実は逆で竜巻みたいに周りを巻き込む上昇気流じゃないかと思うことがある。
ただ、竜巻の気流がy軸方向なのに対して、ブラックホールはt軸(未来)方向に吹き上げる。
巻き込まれると上方(未来)に運ばれるが、そのうち雨になって、散り散りになって降って来る…かもしれない。
未来から過去に戻れない時点で、やっぱり未来の方が穴(下向き)っぽい気もしてるが。
宇宙を未来に向かって引っ張っている力の正体は何なんだろうか。

    ゲスト

    導入数学ツールが強力過ぎて現状では同じ根拠で全く違う結論にも。 だから、何も「確かには」言えていない。 →まだ、海のものとも山のものともつかない段階にある

ウキキ

重力は質量という、自分の都合では変えられない定数で決まるものだと思っていました。
これが今回の理論で曲率という変数で決まるということは、その変数を操作して重力をコントロールできるようになるのでしょうか?

しばわんこ

毎回思うが、紹介される論文の信ぴょう性って何か数値化されてないの?
適当な空想をしてそれに合致するモデルをつじつま合わせで考えましたってだけのものならいくらでもできちゃうでしょうし。

    ゲスト

    実験と観測

    ゲスト

    元の論文読んだ?

    ゲスト

    しばらくだった頃に被引用数を見てみればいいですよ

ゲスト

完全に理解できたわけではないが、重力とは時間の流れの違いが生み出すのではないかという説を思い出す
我々が大地に立つうえでも頭部と脚部の時間の流れは本当にわずかながら実は違う
それは東京タワーの上部と地上で時間の進行が微々たるレベルで異なっているという話しと同じで
その時間の進行に対する差が重力という存在を生み出しているのではないかという

時間の進行とエントロピーは切れない関係にある。重力を含めたそれぞれの関係の正解は何なのだろう

    ゲスト

    ベルヌーイの定理の時空版みたいな物を想像した。

    光速の異なる物質の境界で光が屈折するのと同じように、時間の流れが異なる≒相対的光速が異なる場所で光が曲がるのは上手く説明出来るかもと思った。

ゲスト

宇宙の中心に負のエントロピーが存在して、それが全てを外へ押しやってるなど想像した

ゲスト

素人の空想です。宇宙空間を平面として、そこにある窪みが重力の正体なのかなと思いました。空間とそれを埋める物質は、密度が一定(物質が空間に均一にひろがる)のを好むので、窪みが生じたらその空きに物質が集まる。その結果が重力。一方、ブラックホールは窪みを超えて文字通り穴が開いた状態で、その穴が塞がらない限り周りの物質を集め続ける。その結果が終わらない(穴が塞がらない)ので、不安定なのか。空間にぽっかり穴が開くイメージ=平面に穴が開いたイメージを一緒にしてみました。このコメントを書きながら想像していたのはお風呂の排水栓です

ただの妄想家

下記は考察でなく、ただの感想です。妄想の類。勘違いをしていると思います。

自然科学(実証性が必ず問われる?)というより、自然哲学(数理的仮説どまりでも数学的に無矛盾なモデルを提供するなら良しとする)の論文として実に面白いです。アインシュタインの一般相対性理論は数理モデルとして必ず特異点を持つので、自己完全性?が無いと言っていいのでしたっけ。ホーキング博士による虚時間(虚時空?)導入で特異点を回避する方法が提案されたのでしたっけ。
妄想として、当方は時空自体がそこに物質が無くても曲がっていてもいいかな?と思ったことがありました。物質が無くても高エネルギーの虚無の時空がそこにあれば、と。(一般相対性理論は質量と時空の曲率でなくて、エネルギー・運動量テンソルと時空の曲率の関係式ですよね。運動量は質量0の光子でも持つ量でしょ。では、質量0の重力子も運動量を持てるのかなとか妄想しまくりしました。)
エントロピーは本当に何も無いところには生じない統計的概念?
虚無の高エネルギー時空ではやはり無理がある、と思ったとき、この理論は何となくいい感じに思えました。(あくまでも個人的感想です。)同じロンドン大学で一般相対性理論ではなく量子論を修正したアイデアがちょっと昔に論文で公開されました。そのアイデアともこの理論は明らかな矛盾は無いのでは?(数理的に検証できるほど当方は頭が良くないので気がするだけ。)
解説に「重力の方程式が高次の微分(複雑な揺れを生みやすい項目)を含まず、理論全体が不安定にならないというメリットも得られました。」とあるのもいい印象を感じました。
今後の科学的検証ができる、すんごい実験や観測が得られるといいですね。(その結果、この理論が否定されたとしても、ニュートン力学同様に良い近似理論と解釈できるかもしれないですし。)

ロゥレベル・バーチャルマキナ

この話は昔からありましたものと記憶しています。2016年くらいかな?

ゲスト

始まりは4つの力が皆同じであって、途方もない熱のエネルギーで相転移したとかいわれるよりしっくりくる。
ただ、実はもつと簡単な事だったんじゃないかなとも思う。

ゲスト

素人だから理解も合ってるかわからんし、例えもあれだけど、水の中に複数の絵の具を混ぜ合わせた結果混ざった色になっただけで絵の具であることには変わらないみたいなもんだと思った。現在の宇宙は絶対零度という物質のエントロピー0が存在してるから、今より古い宇宙にはこの絵の具の例で混ざりきってない重力やら時間空間のエントロピーが何かしらの方向性というか、広がり方や偏り方を持ってるかもしれないというわけだ。確認できれば記事にもあるように重力はエントロピー起源ということの説得力が増すね
あと始まりは4つの力が皆同じという上のコメにも納得。地球にいるから時間と空間を固定して考えがちだけど、重力が強いところは空間が歪み時間が遅く進むと連動するように何かしら同質的なものを感じる
駄文失礼

なまず

時空と物質の不確定性を媒介する項を導入して、それが重力?的な?

SItorus

これって原始ブラックホールの発生にも関わってそう。ブラックホールが出来てその中に特異点が出来るんじゃ無くて宇宙誕生直後の極端な環境で3ページで書いてたみたいに強い重力が発生して直接特異点が発生→事象の地平面発生、ブラックホール化みたいな

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