人類はいつから観葉植物を飼っているのか?
私たちが観葉植物を飼い始めたのは最近のことではありません。
実は人類は何千年も前から、室内に植物を導き入れていたのです。
これまでの研究によると、古代エジプト人は紀元前3000年にはすでに屋内で植物を飼育していたことがわかっています。
また古代ローマのポンペイ遺跡でも、今から2000年以上前に室内植物が育てられていた痕跡が見つかっています。
それから中世イングランドでは、料理に使う食材や医療用の薬剤のために室内植物を飼っていました。
ただし現代のような形での観葉植物を育てる習慣が世界に広まったのは、主に20世紀になってからです。
モダン建築の普及とともに、インテリアの一部として観葉植物を育てる文化が世界中で定着し始めました。

さらに観葉植物の人気に拍車をかけたのは、コロナ禍のステイホームも大きな要因となっています。
ロックダウンや外出禁止令によって、屋外の緑地へのアクセスが制限されたことから、自然とのつながりを求める気持ちが高まり、世界中で観葉植物を飼う人が増加したのです。
観葉植物のメリットは、自然とのつながりにとどまりません。
これまでの研究によると、観葉植物はポジティブな感情を高め、ストレスを軽減し、在宅ワークや屋内作業の生産性を向上させ、さらには痛みといった身体的な不快感さえも和らげる可能性があることが示されているのです。
こうした背景の中で、研究チームは「人と観葉植物との関係性」をさらに詳しく調べることにしました。