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一緒に住むパートナーが糖尿病だと「うつ病リスク」が高まっていた (2/2)

2025.04.28 07:00:24 Monday

前ページ配偶者のサポートに心理的負担

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パートナーが糖尿病だと「うつ病リスク」が上昇

今回の研究では、日本の健康保険加入者の中から52万1010組の夫婦(平均年齢 54.1歳)を抽出し、2016〜2021年の6年間にわたって追跡調査が行われました。

そしてデータ分析の結果、配偶者(パートナー)が糖尿病と診断された人は、そうでない人に比べて、うつ病を新たに発症するリスクが8%高いことが統計的に示されたのです。

これは年齢や収入、既往歴など多くの要因を調整したうえでも、有意な差が残りました。

さらに注目すべきは、糖尿病を発症した配偶者がその後、心血管疾患(CVD)を発症した場合に、うつ病リスクがさらに高まっていたことです。

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配偶者が糖尿病の診断を受けた世帯では、世帯主がうつ病症の診断を受けるリスクが 8%高かった/ Credit: 京都大学 – 配偶者の糖尿病発症と本人のうつ病の関係が明らかに(2025)

研究チームは「パートナーの糖尿病→心血管疾患の発症→サポートする側のうつ病」という因果関係の一部を媒介分析によって明らかにし、うつ病リスク全体の22.4%がこの配偶者のCVDによって説明できることを突き止めました。

つまり、糖尿病によって生じる心臓病や脳卒中のような深刻なパートナーの病態が、それをサポートする側にとって大きな精神的打撃となり、それがうつ病の発症につながる可能性があるのです。

以上の結果から、糖尿病の影響は患者本人だけにとどまらず、それを支える配偶者の心の健康にも及ぶことが明らかになりました。

「家族で病気と向き合う」ことの大切さが、改めて浮き彫りになった研究と言えるでしょう。

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