なぜストーカー通報に対して警察は怠慢なのか?――最新研究から読み解く海外の状況
なぜストーカー通報に対して警察は怠慢なのか?――最新研究から読み解く海外の状況 / Credit:Canva
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なぜストーカー通報に対して警察は怠慢なのか?――最新研究から読み解く海外の状況 (4/4)

2025.05.06 17:00:24 Tuesday

前ページ3:なぜストーカー対応で怠慢が起こるのか?

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4:警察に門前払いされたと感じた場合どうするか?

4:警察に門前払いされたと感じた場合どうするか?
4:警察に門前払いされたと感じた場合どうするか? / Credit:Canva

警察に相談したのに真剣に取り合ってもらえず、「門前払い」や不誠実な対応をされてしまった――そんなときでも、決してあきらめないでください。

以下では、具体的なアクションや利用できる支援先をご紹介します。

証拠を集めて状況を明確に伝える

前回相談時に警察が動いてくれなかった場合、写真・録音・メールやSNSのメッセージ・着信履歴など、被害の証拠をできるだけ揃えて持参しましょう。

証拠があれば警察も事件性・緊急性を判断しやすく、対応してもらえる可能性が高まります。

被害日記(いつ何があったか)をつけておき、相談時に提示するのも有効です。

相談内容を書面で提出する

口頭だけでなく、被害状況や不安を時系列にまとめた書面(相談シートや要望書)を作成し、警察署の生活安全課など相談窓口に提出してみましょう。

書面に残すことで警察側も記録を残さざるを得ず、正式な対応につながりやすくなります。

「〇月〇日に相談したが適切な対応をしてもらえなかった」ことも簡潔に記しておくと、前回の相談履歴も意識してもらえます。

相談先や担当者を変えてみる

前回対応した警察官と相性が悪かったり不信感がある場合、別の人に相談したい旨を伝えてみるのも一つの手です。

「できれば生活安全課のDV・ストーカー事案担当の方とお話ししたいのですが」と希望を出したり、交番ではなく警察署本署の窓口に出向いてみるなど、窓口を変えて再チャレンジしてみてください。

同じ警察署でも日を改めて行けば違う担当者に当たる可能性がありますし、都道府県警本部の被害者相談専用電話(#9110)経由で相談するとスムーズに専門部署につながるケースもあります。

一度門前払いにあっても、「あなたの相談内容は重大だ」と根気強く訴え直すことが大切です。

第三者に同行を頼む

可能であれば信頼できる友人や支援団体のスタッフ、あるいは弁護士に同行してもらいましょう。

被害者ひとりで相談に行くよりも、第三者が一緒にいることで警察も真剣に話を聞いてくれやすくなります。

特に弁護士同行の場合は「法律の専門家が事件性ありと判断している」と警察も受け止めるため、積極的に対応してもらえる可能性があります。

弁護士に依頼する余裕がない場合でも、支援センターの相談員などが付き添ってくれることもあります。

民間の支援団体・NPOを活用する

警察への相談と並行して、ストーカー・DV被害者支援を行っている民間のNPOやシェルターにも連絡をとってみてください。

こうした団体は被害者の気持ちに寄り添いながら、警察への働きかけ方もアドバイスしてくれます。

全国被害者支援ネットワーク加盟の各地の被害者支援センターでは、電話や面談で無料相談に応じ、心のケアや他機関の紹介を行っています。

各都道府県で犯罪被害者をサポートする団体がありますので、地域名+「被害者支援センター」で検索してみるとよいでしょう。

24時間対応のホットラインを利用

深刻なDV・ストーカー被害について、行政委託で運営されている全国共通の電話相談もあります。

「DV相談+(プラス)」は365日24時間、専門の相談員が電話対応しており、チャットやメールでも相談できます。

電話番号はフリーダイヤルの0120-279-889で、匿名・無料で利用できます。

内容に応じて必要な支援策を一緒に考え、面談同行や安全な場所への避難など直接支援が必要と判断されれば手配してくれます。

夜間や土日でもつながるため、「今は緊急じゃないけど不安」というとき一人で抱え込まず連絡してみてください。

その他にも、「よりそいホットライン(0120-279-338)」のようにDV被害を含むさまざまな悩みに24時間対応するホットラインや、民間シェルター団体への連絡も選択肢です。

民間シェルターは行政に知られず避難したい場合や、ペット同伴で避難したい場合などに力になってくれます。

支援団体同士のネットワークで適切な避難先を探してもらえることもありますので、「シェルター 相談 地域名」で検索し問い合わせてみましょう。

公的機関で受けられる支援

各自治体には配偶者暴力相談支援センター(DV相談窓口)が設置されており、ストーカー被害でも対応してもらえます。

ここではカウンセリングや安全確保、一時保護の手配、法的手続の案内など総合的な支援が受けられます。

たとえば東京都では23区在住者向けに「東京都女性相談支援センター」で相談を受け付けており、多摩地域にも支所があります。

大阪府でも「大阪府女性相談センター」や大阪市の「配偶者暴力相談支援センター」で専門相談を実施しており、男性からの相談も可能です。

お住まいの地域の相談センターは内閣府男女共同参画局のウェブサイトや市役所の案内で確認できます。

公的機関の相談員は警察とも連携してくれるため、「警察にうまく伝わらなくて…」と正直に打ち明け、間に入ってもらうことも検討してください。

法律的な支援も活用

法テラス(日本司法支援センター)には「犯罪被害者支援ダイヤル(0570-079714)」という相談窓口があり、DVやストーカー被害に関する法律相談を無料で案内しています。

経験豊富な職員が話を聞き、必要に応じて適切な支援機関の紹介や弁護士相談の手配をしてくれます。

収入等の条件を満たせば、被害者向けの法律相談援助制度を利用して無料で弁護士に相談することも可能です。

接近禁止の保護命令を裁判所に申立てる場合など、法テラス経由で弁護士のサポートが得られます。

行政の男女共同参画センターにも無料の法律相談日を設けている所がありますので、「○○市 DV 法律相談」で調べてみましょう。

その他公的サービス

各都道府県の男女共同参画センターや女性センターではDV・ストーカー相談のほか、一時的なカウンセリングや同行支援をしてくれる場合があります。

必要に応じて住民票閲覧制限(加害者から住所を知られない措置)や、子どもがいる場合は児童相談所との連携など、公的制度の案内も受けられます。

生活保護や住居確保給付金などの福祉制度についても福祉事務所で相談できますので、生活面の不安も遠慮なく伝えてください。

過去にはストーカー被害が痴情のもつれと軽視され警察に相談しても相手にされないケースがありました。

しかし、その結果対応が遅れて事件が深刻化した痛ましい事例が相次いだ反省から、現在では警察も真剣に対応する体制になっています。

相談件数は増加傾向にあり、警察も「被害者の意思を尊重し丁寧に対応する」方針を強化しています。

一度対応が不十分だった場合も、時間をおいて再度相談すれば事態が動く可能性は十分あります。

決して萎縮せず、あなたの安全のために粘り強く訴えてください。

危機が高い・差し迫っている場合

加害者から「殺してやる」など明確な脅迫があった、繰り返しの暴力ですでにケガをしている、尾行や待ち伏せが連日続いて恐怖で外出もできない、といった緊急性の高い状況では、ためらわず110番通報をしてください。

「つきまとわれて怖い」「今まさに暴力を受けている」などと具体的に状況を伝え、助けを求めます。

ストーカーやDVの被害であること、加害者が近くにいる・凶器を持っている可能性がある等も伝えると、警察も優先度を上げて対応します。

以前に警察を呼んだのに十分な対応をしてもらえなかった場合でも、諦めずに再度110番してください。

その際「前にも通報したが、さらに状況が悪化している」「○月○日に相談済みだが加害者の行為がエスカレートしている」と伝えることで、警察も重大性を認識しやすくなります。

「命の危険を感じている」「次は殺されるかもしれない」と率直に言葉に出しましょう。

通報後はできるだけ安全な場所(施錠できる部屋や人目のある場所)に避難し、警察官が到着するまで身を守りましょう。

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なぜストーカー通報に対して警察は怠慢なのか?――最新研究から読み解く海外の状況 (4/4)のコメント

ゲスト

つまり「警察に相談してもまともに対応してくれないと知れ」ということですね

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