日本では女性取締役が増えると業績が低下する:18年間のデータ分析が示す残念な結果
日本では女性取締役が増えると業績が低下する:18年間のデータ分析が示す残念な結果 / Credit:Canva
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日本では女性取締役が増えると業績が低下する:18年間のデータ分析が示す残念な結果 (3/3)

2025.06.25 17:30:43 Wednesday

前ページデータが示す衝撃―日本企業では女性取締役が増えるほど利益率が下がる

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日本企業が『女性活躍の効果』を得るために必要なこと

日本企業が『女性活躍の効果』を得るために必要なこと
日本企業が『女性活躍の効果』を得るために必要なこと / Credit:Canva

今回の研究によって、日本企業では女性取締役が増えることで、企業の業績がむしろ下がる可能性があることが示されました。

これは直感的には驚く結果ですが、なぜそのようなことが起きるのでしょうか。

研究者たちは、この原因としていくつかの興味深い可能性を指摘しています。

まず挙げられる理由として、「過剰な監視」という問題があります。

まず女性取締役が増えると、取締役会の監視機能が強化される傾向があります。

これは企業の透明性や管理を向上させるメリットがある一方で、あまりに強すぎる監視は意思決定のスピードを落としてしまい、小規模な企業や財務に課題を抱える企業では特に経営判断の遅れを生じさせる可能性があります。

なぜ女性取締役の増加は監視強化を起こしやすいのか?

女性取締役が増えることで取締役会の監視機能が強まる傾向があることは、多くの学術的研究から明らかになっています。特に、経営学やコーポレート・ガバナンスの研究でよく引用される「エージェンシー理論(Agency Theory)」に基づいて、そのメカニズムが説明されています。

エージェンシー理論とは、企業の経営者(CEOや経営陣)と株主(所有者)の利害が必ずしも一致しない状況を前提に、取締役会が経営陣の行動を監視し、株主に対する責任を果たすことを重視する考え方です。こうした理論的な枠組みの中で、特に女性取締役は取締役会の中で監視役としての役割を強化する傾向があることが示されています。

その背景には、いくつかの理由があります。まず、女性取締役は取締役会の会議において、経営陣の意思決定や行動をより慎重に評価しようとする傾向が強いという研究結果があります(Adams and Ferreira, 2009)。これは女性が、男性が中心となった既存の取締役会の「暗黙のルール」や「なあなあな関係」から距離を置き、より客観的な視点で企業統治を行うことを示しています。

また、取締役会の男女多様性が進むことで、意見の違いが生まれやすくなります。

多様な視点は企業にとって良い影響もありますが、日本企業のように同質性を重視してきた企業文化の中では、意見調整に時間がかかり、短期的には効率が落ちることもあり得ます。

さらに、日本社会には女性の経営能力に対する無意識の偏見やステレオタイプが根強く残っています。

そのため、女性取締役が実際に企業の意思決定において十分に活躍するには、このような偏見や障壁を取り除く努力が欠かせません。

加えて研究では、女性取締役が多い企業ほど社会的責任(CSR)活動やイノベーションに積極的になる傾向があり、短期的には財務面での負担が増えることも示されています。

こうした要素は、従来の業績評価基準だけでは捉えきれない側面を持っています。

そのため研究では、単に女性取締役を数として増やすのではなく、女性が実際にその能力を発揮できるような企業文化や制度づくりが必要だと指摘しされています。

企業の経営者や政策担当者は、今回明らかになった結果を踏まえ、女性登用政策や多様性の推進をより慎重に進めていくことが求められるでしょう。

今後、日本企業が多様性の推進を通じて長期的な成長を実現していくために、この研究結果を踏まえた議論や対応がますます重要になっていきます。

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日本では女性取締役が増えると業績が低下する:18年間のデータ分析が示す残念な結果 (3/3)のコメント

研究稼業

たかが17年間のデータでこういう結論を出していいのでしょうか?本稿の社会的影響を考えると心配です

    MT

    社会への影響ではなく企業業績への影響の研究だから関係ない。社会的にはいいことだから企業は損なことをやるべき、という理由もなければ社員がその業績悪化で給料を減らされるいわれもない。

    ななしさん

    さらに、日本社会には女性の経営能力に対する無意識の偏見やステレオタイプが根強く残っています。
    そのため、女性取締役が実際に企業の意思決定において十分に活躍するには、このような偏見や障壁を取り除く努力が欠かせません。

    これ自体がステレオタイプであり、毎度呆れる分析です。
    なぜ毎度このような内容で纏めるのでしょうか。
    正確な分析をせずに、記事を記述するにほかないからだと認識しています。
    そもそも、能力を有しているが前提であるのは、明らかに現実と乖離しています。

ゲスト

女性取締役という前例が少ないから立ち回りの参考となる例が少なく、活躍しにくい…とか?
そもそもジェンダー毎にサンプルが違わなくてはいけないという前提ならば、だけど

しかし仮にもしそうであるならば男女間、またLGBTでの平等性が崩れるという形になるけれども

    ゲスト2

    女性の取締役独特な立ち回りなんてあります?

それ以上いけない

それ以上いけない研究結果…

ゲスト

中国の分析ってのもなぁ、急かされても鵜呑みにすることはないんじゃないだろか?
というか中国人にレームダック化された某家具メーカーが浮かんでしまったよ……

まあ例えば、ワンマン社長が子供に継がせるみたいなケースで業績アップを図るのは難しいんじゃないかと思うんだが、
そうした本来レアなはずの事例が、中小企業で代替りした女性社長を母集団した場合では典型的な事例になってて、それがポイントに表れてたみたいなことはないだろか

    ゲスト

    中国の分析だからとか浅いこと言ってないで、分析手法に粗があるなら指摘すればいい

    ゲスト

    中国の分析だからって考えるのは鵜呑みにする以上に悪い考え方だと思う
    分析手法に粗があるなら突っ込めばいい

    ゲスト

    こんなポリティカル・コレクトネスに抵触しそうな研究日本でやろうとしたら潰されそうじゃんね。
    国外だから出来ることがある。
    男女に性差は無いはずであるという政治的な正しさが科学的な正しさより優先されるということはよくある事。

うさぎ

女性は全ての責任は男性にあると信じてる人がいると思います
知らず知らずのうちに責任逃れしているのでは?

    ゲスト

    バイアスの強い思い込み。
    その逆も真で、男性がそう思って非協力的だったり責任逃れしているのでは?と言い出したら水掛け論です。
    が、既得権益や既存の体制を変える方法論を無視した形だけの女性取締役推進は、そういった負の側面も出てくるでしょう。

ゲスト

女性を増やせと周りから言われているから仕方なく女性を入れている、そういう形がほとんどだと思うので、そうなると当然パフォーマンスは下がります。
女性か男性かに関わらず優秀なものを入れろという形でやった時に男性を押しのけて入ってきた女性であればパフォーマンスは上がるでしょうが、そうではないのですからね。
女性であることを評価対象にしてはいけないということです。
尤も、業績とかどうでもいいから女性増やせよということなら別にそれでいいわけですがね、女性が増えたのですから。
結局のところは「本当は何がしたいの?」ということに尽きるわけですね。
業績を上げたいのか、女性を増やしたいのか、両立は可能ですが、そのためには男性より本当に優秀な女性が必要になるわけです。
そしてそのような女性は残念ながらそれらの企業にはいないということですね。
そりゃそうです、そんな優秀なら男性優位な組織にいないで自分で好きな組織を立ち上げて自分の力で戦うことを選びますから。

ゲスト

そらそうだろ、今の連中はお上の意向で増やしただけで、実力でなった訳じゃないお飾りだから
これから時代が進んで、実力でのし上がってきた女性が増えてくれば結果がわかるはず

ゲスト

自分の思い通りの結果にならなかった事に対して、過剰な監視だの日本特有の同質性だの、難癖つけて締めくくってるが大丈夫なのか?
客観的なデータよりも、理想を優先したいのかと思ってしまうが。
科学を重要視してるメディアなのだから、私情を入れた内容にするのは一番やってはいけない事だと思うけどね。

ゲスト

女性平取がやりそうなこと
1 リスクを嫌う
2 もっともらしい発言で結論を先延ばしさせる
3 空気を読めない思いつきの発言で場がしらける
4 役会前後に代表や議長にゴマすり

社長も女性ならもう少しはましになるかな

ゲスト

面白い研究結果ですね。
日本は良くも悪くも男性上位で社会が作られてきたのでそこに女性が紛れ込むと上手く仕事が回らないのは当然の結果だと思います。
海の魚を淡水に入れているようなもんですね。
女性は女性代表として頑張らないとと空回りしているのかもしませんし
男性側も女性に上に立たれては「分かってないやつだなあ」なんて思うかもしれません
100年単位で女性優位の社会を形成すればワンチャンあるかもしれませんが、月のものと妊娠出産は女性特有のものですから
どうしたって男性と同じ成果は出ないと思います

    ゲスト

    男性上位社会とか単なる妄想でしょ笑

    ゲスト

    少なくとも女性で権力を持つ人は多くない

ゲスト

0.1%くらいしか違いが無いのならそこまで深刻に考えなくてもよさそう

    ゲスト

    本気で言ってるなら頭悪すぎる
    大企業なら億単位だけど

    ゲスト

    5%あれば優秀と言われている中での0.1%減だから、多分思ってるほどは影響は小さくないよ。
    例えば1000円の売り上げから0.1%減ると言われればたったの1円で気にしなくていいってなるけど、
    1000円売り上げの利益が50円の時、残った利益50円から1円減ると考えると実質的には2%減となるから。

    ROAでも同じ考え方が当てはまって、最終的な利益が1000万円の会社だとすると、
    女性が7%増えるたびに会社に残るお金が2%(20万円)ずつ減るってことになるからね。

    ゲスト

    逆に考えよう、利益率が下がるのはなにも悪い事じゃない

mの者

元女子アナは女性比率“改善”の駒にすぎない経営の素人なんよ

ゲスト

> 「取締役会に女性が増えるほど企業の利益率が下がる」という、直感的には予想外の結果が報告されました。
え?なんでそう思ったんだ。どう考えても女性が多い方が業績は下がるに決まっている。
何故大リーグに女性選手がいないと思っているのか。何故トランスジェンダー選手が問題になっているのか。もしかして肉体は劣っていても頭脳は変わらないと思っていたのか、東大の入学割合知らないのか、ノーベル賞受賞者の割合知らないのか、数学オリンピックの

    ゲスト

    その理屈だと日本関係なく世界どこでも同じ結果になるはずだ。
    ところがなぜか日本だけがそういう結果が出てしまった、というのがこの話の論点なんだよ。

ゲスト

女性取締役が多い企業ほど社会的責任(CSR)活動やイノベーションに積極的になる傾向があるなら、
社会にとっては、企業のトップに女性がいたほうがいいということになりますね。
利益のみをがめつく追及するのが最善という価値判断も、正しいのかどうかですよ。

    ゲスト

    これ因果が逆でCSRやイノベーションに積極的な企業だから女性取締役が多くなってるのでは?
    それと利益を追求しないと株主に説明出来ないし、そうなるとせっかく増やした女性取締役が解任されるという事も。
    それって企業にも女性にも良くないんじゃないですかね。

ゲスト

元の論文を拝見しました。負の相関関係に関しては、日本企業のもつ保守的な(古くさい)性差が企業活動に於ける意思決定プロセスの障害になっていると思いました。もっと女性の進出が進んでお飾りで女性を取締役に据えるという様なことが減ると良いですね。

ゲスト

日本は男尊女卑が世界で最も酷い国の一つであることは分析の結果わかっていて
日本では特に女性は実力が反映されず男からどれほど好まれるかで地位が確立される。
そのような環境で育った女性がトップに立てば世の中はそういうものだと考えるが普通でそれを行動に出す。
男性の地位はコネも多いが実力で判断されることの方が多く男性がトップに立ってもそういう発想にはなりにくい。
つまり女性がトップになると実力主義が反映されにくく業績は男性がトップの時より下がるのは平均で見れば明らかだ。

    ゲスト

    日本は男尊女卑が〜っていう言論も聞き飽きたね。
    それこそ、実態や数字の持っている意味を深く分析せずに浅い結論を導き出してるメディアの受け売りなんじゃないかね。
    それらを鵜呑みにした考え方の人間が仕切ってるから、こういう取り組みも上手くいかないのだろう。

ゲスト

企業の利益と社会の利益は一致するものでもないので。
例えば会社設備を24時間稼働させた方が無駄は減るけど、でも3交代で24時間稼働している会社ばかりになったら嫌でしょ。

ゲスト

0.1%が大した事ない?10000円なら10円だぞ?1000万円で10万円。1億で100万。10億で1000万。
中小企業10億円売上は普通だぞ。その中で1000万欠損してるのを許せるのか?

ゲスト

社外取締役も含まれてないかな?
もとのデータが見たい

マサウス

過渡期なんじゃないでしょうか。
男女比の調整するためにやや能力が不足していても女性役員をふやしたいということでしょう。
役員になれるなら頑張るという女性が増えていけばまた変わってくると思います。

ゲスト

男尊女卑は結構根深いね。記事内の女性割合を増やせば業績が向上するのが一般的なイメージだと思ってるのが、単純な考察だと感じました。

    ゲスト

    女性割合を増やせば業績が向上する
    それは女尊男卑というのでは?

会社員

>政府も2030年までに「取締役会メンバーの30%を女性にする」という明確な目標を掲げています
私の勤務している会社でも、これをヴィジョンとして誇らしげに謳っております。
「それによって会社の業績が上がる」という明確な根拠が示されておらず、株主へのポーズとしか受け止められませんでした。

本当に給与は上がるのか。肝心なのはコレです。

    ゲスト

    実際のところ、投資家は取締役の女性比率などは考慮してないよ。
    売り上げが下がれば売られ、売り上げが上がれば買われる。単純なこと。
    資生堂も女性比率が多いが業績低迷で売られてる。

ゲスト

出る杭は打たれる文化、特に女性は強く叩かれる
優秀な女性はそれを経験してるから出てきてくれない

    ゲスト

    男女の基礎能力は同じだとしても、女性のほうが人生において選択肢が多く、何らかの分野に特化する人生を歩む人は男性のほうが数が多くなる。
    近年の仕事はますます専門性が強くなっており、継続的に一つの分野に時間を使ってスキルを磨かないとついていく事も出来ない。
    出る杭が打たれるから優秀な女性が出て来ないのではなく、人生の選択を仕事とは別に振り向けているだけです。
    それが悪いことですか。

ゲスト

“「女性を増やせば必ず業績は良くなる」という一般的なイメージ”と記事内にありますが、本当にそうでしょうか
これはかなり偏った意見で、到底一般的ではないように感じます

ゲスト

単純に数合わせで増やしてるからじゃないですか?
数字ありきでやった結果でしょう
当然の結果ですよ

ゲスト

取り合えず、男でも女でもだけど、幹部として取り立てる側に見る目がない場合はしょーもない奴に舵取りやらせるわけなんだから、その時点でアウトなんだよ

ゲスト

みんなああだこうだ言う前にまず記事をよく読んで欲しい。特に3P目は社会学「リービットによるコミュニケーション構造の4タイプ」の話。男社会は権利不平等な権威主義社会だから車輪型、効率は良いけど満足度が低い。女社会は平等社会で円型、効率は悪いけどメンバーの満足度は高い。記事ではその効率の良し悪しについてやや具体的に説明している。
人類学者小川さやかがタンザニア商人から聞いた話を著書に載せている。「皆で動けば機会を逃す、誰かが動けば道が出来る、ばらばらに動けば誰かが成功する」。記事の「女は監視を強める」は「皆で動く」に通ずる。アフリカの諺とされる「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」にも同じ。女社会はメンバーの満足度が高く安定性はあっても商機を逃す。

ゲスト

機会、評価平等ではなく結果平等を目指して女性を管理者に据える方向で推進されているので
そもそも女性の中にそれを望む人が少なく、競争の無い状態で役員になったりするわけで
能力不足も一因では

ゲスト

なんでこれが直感的に驚く結果なんだ?むしろ逆の結果になった方が驚きだよ。そもそも答えは本文に書いてある。
「増加スピードでは世界トップクラスです」
なぜそんなスピード増えることができたのか。もっと言えば、どんな方法で企業は増やしてきたのか。それを考えればこの結果になるのは明らか。

ゲスト

単純に日本は男が優秀なんじゃない?
海外の男って怠け者多いし責任感ゼロだし
だから海外だと相対的に女性が優秀に見えるのでは?

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