スキンケアが心のケアになる日——神経化粧品の可能性と課題

「美しさは肌の表面だけで決まるわけではない」──この言葉が示す通り、現代の美容は今や肌の奥深くを超え、「心」までを含む広い領域に広がり始めています。
神経化粧品や神経美容がこれほど注目されるようになった背景には、外見と内面が密接につながっていることを多くの人が直感的に感じているからでしょう。
私たちが鏡に映る自分の姿を見たとき、ただ単に肌のコンディションを気にするだけでなく、その日の気分や自信まで左右されることは珍しくありません。
そうした心の状態をも同時にケアするというアイデアは、美容業界とウェルネス分野が一つに融合した新しい時代の訪れを予感させます。
もっとも、この分野はまだ生まれたばかりです。
多くの神経化粧品成分の効果は現在前臨床や相関解析の段階にあり、客観的なエビデンスの蓄積や標準化された効果測定法の確立がこれからの課題です。
肌を通じて脳や感情に影響を及ぼすという性質上、使用する成分の安全性や思わぬ副作用、さらには長期的な心身への影響についての検証が不可欠です。
また、精神薬と同様に神経化粧品の心理的な効果は人によって感じ方が異なるため、効果を客観的に測定する方法を標準化する必要もあります。
さらに、AIを使ったスキンケアシステムを導入する際には、個人の肌や感情状態をリアルタイムでデータ収集するため、プライバシー保護と公平性を確保する倫理的ガイドラインの整備も重要になります。
AIが個人の心の状態に踏み込みすぎないよう、明確な基準を設ける必要があるでしょう。
こうした課題に対応しつつ研究が進めば、神経化粧品は科学に裏打ちされた新たな「心身美容」の柱として成長する可能性を秘めています。
皮膚科医、神経科学者、心理学者、さらには倫理学者や規制当局まで巻き込んだ学際的な取り組みにより、エビデンスに基づく安全な製品開発が促進されるでしょう。
スキンケアを通じて心の安定や幸せをも育む――そんな統合的な美容アプローチが現実のものとなれば、私たちの毎日の「美のリチュアル(習慣)」はより豊かで意味深い体験へと変わっていくことでしょう。
「肌をケアすることは、心をケアすること」――この考え方が当たり前になる日も、そう遠くないかもしれません。
の宣伝にしか見えないんだが。
IF2.2のジャーナルにとくに新しい発見もない「概念を提唱」する論文が載るのか。
https://www.frontiersin.org/journals/cell-and-developmental-biology/articles/10.3389/fcell.2025.1598326/full
塗り薬のバリエーションが増えそうな予感。
論文の筆頭著者はフランスの医療施術企業の代表