竹由来のプラスチックは高強度なのに50日で土に還る
竹由来のプラスチックは高強度なのに50日で土に還る / Credit:High-strength, multi-mode processable bamboo molecular bioplastic enabled by solvent-shaping regulation
chemistry

竹由来のプラスチックは高強度なのに50日で土に還る (3/3)

2025.10.08 22:30:09 Wednesday

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竹プラスチックは世界を変えるか?

竹から生まれたこのプラスチックは、まるで「自然と工業の橋渡し」をしているような存在です。

強くて加工しやすく、しかも使い終われば静かに土に還る──それは、私たちが長年求めてきた“理想の姿”にかなり近いものです。

この発見は、プラスチック汚染という世界的な課題に対して、「そもそも素材そのものを変えてしまう」という新しい道を示しました。

研究論文によれば、この竹プラスチックは自動車の内装部品や建築用パネルなど、強度が求められる分野にも使える可能性があります。

つまり「環境のために性能を妥協する」のではなく、「性能を保ったまま環境にも優しい」方向へ舵を切った素材だと言えます。

これはこれまでの生分解性プラスチックにはなかった、非常に重要な一歩です。

もちろん、すぐに街中のプラスチックが竹製に置き換わるわけではありません。

まだ実験室レベルの成果であり、量産技術や実際の環境下での分解スピードなど、これから解決すべき課題は多く残っています。

また、竹を原料として安定的に供給する体制を整える必要もありますし、コストをさらに下げて企業が使いやすい形にする工夫も求められます。

ただし、概算の技術経済解析では2302ドル/トン程度と報告されており、既存プラスチックとの価格差を縮める可能性も示されています。

持続可能性と経済性の両立を実際に数字で示したことは、この研究の大きな価値と言えるでしょう。

竹という身近な存在が、世界の未来を変える可能性を秘めている。

そう考えると、次に足元で見かける竹の茎が、少し違って見えてくるかもしれません。

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竹由来のプラスチックは高強度なのに50日で土に還る (3/3)のコメント

ゲスト

すぐ分解されるのって逆に言うと耐環境性がないってことでもあるわけですよね?
表面に微生物付いたらモリモリ分解されて使い物にならなくなるわけですよね。
長期間使うものには使えないですよね、それ。
既存のプラやゴム製品ですら紫外線とかオゾンに触れるとどんどんボロボロになってしまって長期間使うことができないのに…。
製品そのもののライフサイクルが短くなってしまうことが果たして持続可能性が高いと言えるのですかね。

    ゲスト

    紙は自然分解されるけど、倉庫の紙袋とかは微生物ついた途端ボロボロになってるかい?
    ちょっと考えれば子供でもわかりそうな所を勘違いして『俺指摘できてる格好良い!』ってのはちょっとダサすぎるよ?

    ゲスト

    2025/10/08ゲストさんのコメントに対する2025/10/10ゲストさんのコメントに一言。

    2025/10/10ゲストさんは、「紙は自然分解されるけど、倉庫の紙袋とかは微生物ついた途端ボロボロになってるかい?」と、これを「ちょっと考えれば子供でもわかりそう」と言いますが、全然その理屈がわからない。
    まず倉庫の紙袋って何? そしてそれが途端にボロボロにならないことが、2025/10/08ゲストさんのコメント、長時間の使用には堪えないことへの批判になりますか? 「途端にボロボロにならない」が長時間の使用には堪えないってことになりますよね。
    「俺指摘できてる格好良い!」とありますが、こんなこと言ってしまうと、どんな優秀なコメントも下衆的にそれを当てはめられてしまうし、むしろ「俺指摘できてる格好良い!」ってのはちょっとダサすぎるという指摘こそ、俺指摘できてる格好良い!=ダサい、であり、こんな言い方は止めるべきです。
    2025/10/08ゲストさんのコメントを批判するなら、
    2025/10/09 10:48:48ゲストさんや2025/10/09 17:36:49ゲストさんのような別の前向きな見方を提示してください。
    ちなみに念のため、今回の私の指摘を「俺指摘できてる格好良い!=ダサい」くくりに入れないでくださいね。

    ゲスト

    土に触れてない竹や木材ががそう簡単に分解されるかな?阻害する成分がプラスチック化の過程で失われるとしても、木材だって防腐処理出来るんだし。防腐処理した木材だって効果切れちゃえば朽ちるからマイクロプラみたいなことにもならないと考えられる。

    想像で使えないと決め付けて批判するのダサいですよ。もりもりという主観的で無根拠な表現を使う点からもただ批判したいだけなのだろうと思える。

    ゲスト

    水の中(海)でも分解されるんですかね?
    プラスチックの埋蔵量は地上よりも海中が多いはず

    まぁ「捨てるな」って話なんだけど

きこ

これはビックビジネスだ!

    ゲスト

    確かに、自然分解されるのは欠点ではあるな。屋外で使われるものは長持ちしなそうに思える。アウトドアやガーデニング、子どものおもちゃとか。人工芝なんて絶対ムリ。屋内で使用する分だけでもかなりの需要はあるだろうから、適材適所か。

    ゲスト

    自然分解されるののが欠点ではなくて自然分解するように研究してるんですよね
    ちょっと前にどこかの学生さんが海洋プラの調査したら農業に使われる肥料か農薬に使われてるプラが一番多かったみたいです
    そんなのに使えたら使えたら良さそうですね

ゲスト

竹は成長も早いので、プラスチック材料への加工で環境負荷が高い工程が無く実現できればかなり良い技術な気がします。
ただ、一般的なプラスチック材料に比較して2倍位の概算コストになってると思われるので、そこを何とかするブレークスルーが早く欲しいですね。

ゲスト

もうおせえよ

ゲスト

土壌での生分解性と大気中、紫外光への耐久性は別物ですね。
地中は十分な湿度と多くの微生物、酸性度の違いなどがあるので。

今よく使われている生分解性プラスチックのPLAなんかはうまく処理しないと空気中の水分で加水分解することもあるけど、セルロース高分子のままならもっと耐久性は高いはず。

ゲスト

デファクトスタンダードはよ

ゲスト

こういうニュースは嬉しいね
アンチはどこにでも湧くけれど

ゲスト

環境耐性がないって書いてる方がいるけど、環境耐性が著しく低い事が求められる分野があり、特に使い捨てにされるコンビニ袋やストロー、使い捨てパウチなど使用期間が短く海洋汚染の原因になっている分野では非常に有用
耐性が必要なアイテムはpetやエンジニアリングプラスチックを使えば良く、モノは使いよう

コストは生産量が増えればある程度落ちるので、とにかく商用ベースに乗せることが急務
中国なら物量、人口、文化的におそらくそれは可能かと

ゲスト

石油枯渇後のプラスチック製品の代替につかえるかもね
一般的なプラスチック製造のコストが現在よりもとても高くなるのであれば

ゲスト

>すぐ分解されるのって逆に言うと耐環境性がないってことでもあるわけですよね?
>表面に微生物付いたらモリモリ分解されて使い物にならなくなるわけですよね。

その理屈で言うと、木材製品は空気中でモリモリ分解されることになるな(笑)

ペンちゃん

でも、お高いんでしょう?と言いたいところだけど実験室レベルの代物はみんなそうなのでなんとも言えないな…。

プラスチックが石油から竹に置き換えられれば、石油の使用量が減る。
日本全国津々浦々の竹林が油田のように資源となり、資源の輸出国として利益をもたらすかもしれない。

日本は中国に共同開発を申し入れるんだ。そして利益を掠め取ってしまおう。今まで日本がやられてきたのと同じように。

きこ

竹林って今、そんなにあるかな?
研究室レベルの技術って結局実用化されないことも多いなぁってのが今なら分かる。実用化まで行く方が少ない

ゲスト

中国は価値を見出せばエグい金ぶっ込むから
研究室のプレゼン次第ではまず中国内で普及を目指してやるかもね
自国内やアジア近隣でとれる資源で有効な素材となれば有望だと思う

ゲスト

セルロイドみたいなプラスチックは昔からあるし、表面コートでどうにかしている事例や厳しい環境にさらされない領域(ストローとか楊枝とか)で使われているけど
結局コスト高で利用が増えない現実があるから、そこが改善されないとなぁって感じ

ゲスト

ぜひとも「ナガエツルノゲイトウ」を利用した植物由来の
プラスチックも研究してほしい
ダムに放てば無限に増殖するし回収もしやすい

ゲスト

この論文、途中までセルロースナノクリスタルを作ってたのに、エタノールを加えたら何故かプラスチックになってるけど、固めたナノクリスタル単体じゃ硬くて脆いセルロースの板だよね?何かに添加したの?

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