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Credit: canva
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キリンの「脚の長さ」には命に関わるメリットがあった (2/2)

2025.11.10 17:00:24 Monday

前ページ首が長いだけでは生きていけない? キリンの“心臓過労”問題

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長い脚は“心臓を救う装置”

それでは、なぜキリンは「過労死しない心臓」を持てたのでしょうか。

答えは、首だけでなく脚も同時に長く進化させるという、「縦方向に全身を引き伸ばす」戦略にあります。

脚が長ければ長いほど、心臓の位置が地面から高くなり、頭までの垂直距離が短縮されます。

この“たった数十センチ”の差が、実は心臓の負担を大きく左右します。

たとえば、キリンのように脚が長ければ、首だけで高さを稼ぐ必要がなくなり、その分、心臓が頭に近づいて、必要な血圧が下がります。

結果的に、1年で1.5トンもの餌分のエネルギーが節約できる計算になります。

この「省エネ効果」があるからこそ、キリンは他の草食動物よりも優れた生存戦略を手に入れたのです。

さらに進化史をひもとくと、キリンの祖先は首が長くなるより先に、脚が長くなる変化が現れたことが化石記録から判明しています。

現生キリンの脚と首の長さはほぼ同じ比率であり、どちらが欠けても今の「キリンらしさ」は生まれなかったのです。

私たちはつい、キリンの「長い首」に目を奪われがちですが、実は「長い脚」こそが、心臓を守り命を支える隠れた主役なのでした。

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