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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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マルハナバチの女王が「水中でも生存できる秘密」を解明 (2/2)

2026.03.16 17:00:56 Monday

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生存を支える「3つの仕組み」

研究の結果、女王が水没に耐えられる理由は主に3つの仕組みの組み合わせであることが分かりました。

1つ目は水中呼吸です。女王は周囲の水から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出していました。

2つ目は嫌気代謝です。酸素が不足すると、細胞は酸素を使わずにエネルギーを作る代謝に切り替えます。

この過程では乳酸が生成されます。実際に実験では、水没した女王の体内で乳酸の蓄積が確認されました。

3つ目は極端な代謝低下です。

休眠中の女王はもともと代謝が大きく抑えられていますが、水没するとそれがさらに低下します。

実験では、体重1グラムあたりのCO₂排出量が大幅に減少し、エネルギー消費が最低レベルまで落ちていました。

このように

・水からわずかな酸素を取り込む

・不足分を嫌気代謝で補う

・代謝を極限まで下げる

という三重の戦略によって、女王は長期間の水没にも耐えられるのです。

なお、女王がどのような構造で水中呼吸を行っているのかについてはまだ完全には解明できていません。

体表に薄い空気層を保持してガス交換を行う「物理的エラ」の可能性が指摘されていますが、確証は今後の研究を待つ必要があります。

小さな昆虫に隠された驚異のサバイバル能力

地下の巣が洪水で水没するという状況は、自然界では決して珍しくありません。

気候変動によって極端な降雨が増える現代では、こうした環境ストレスは今後さらに増える可能性があります。

今回の研究は、マルハナバチの女王がそのような危機に対して驚くほど高い耐性を備えていることを示しました。

昆虫は小さく単純な生き物に見えるかもしれません。しかし、その体には環境の激変を生き抜くための高度な生理戦略が隠されています。

もしかすると自然界には、私たちの知らない「驚きのサバイバル技術」を持つ生き物が、まだまだ数多く存在しているのかもしれません。

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マルハナバチの女王が「水中でも生存できる秘密」を解明 (2/2)のコメント

ゲスト

ああなるほど、研究ではまだ確認までは出来ていないから記事には書かれていないものの、毛で包まれたマルハナバチの体表には空気の泡が生じ、泡の表面において水中の酸素が泡の内部へ拡散する事によるゆっくりとした僅かな酸素の供給や、泡の内部に含まれている二酸化炭素が拡散によって水中に溶け出すゆっくりとした二酸化炭素の放出量だけでも、休眠状態だと酸素消費速度も二酸化炭素排出速度も極端に少なくなっているため生命維持が可能になるわけだ。

鈴木

私のイメージでは、マルハナバチは虫体が大型で丸まっこく体積の割に表面積が狭いです。また、がっしりとした外骨格で覆われています。
それでもガス交換が間に合ってしまうのは不思議です

    ゲスト

    大型!?10cmも20cmもあるわけではないから十分小型ですよ。

    ゲスト

    蜂の中では十分大型ですよ

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