ハエ「人間ってのろまだな〜」
調査対象の中で、軍を抜いて「俊敏な」生物は、ずばりハエでした。ハエの目は、ヒトの目の4倍の速度で視覚刺激に反応するそうです。どおりで、ハエたたきのヒット率が低いわけです…。
対して、「トロい」生物ナンバーワンは、深海に住むワラジムシ。1秒間に知覚できる光の点滅はわずか4回でした。点滅速度をそれ以上にすると、ワラジムシは混乱し、光がずっと点灯しているものと勘違いしてしまいました。そのスローさが、なんとも憎めません。
「私たちは、ある生物にしか知覚できない緻密な世界が存在することを理解しはじめたばかりです。彼らが見ている世界が私たちが見ているものと異なるかもしれないことを考えることは興味深いです」と、ジャクソン氏は語っています。
そして忘れてはいけないのが、目がいくら迅速に脳へ情報を送っても、脳も目と同じスピードで送られてきた情報を処理できなければ、無意味だということ。つまり、身体の小さな生物は、それだけ脳の処理速度も速いのです。
ハエは、確かに物事を深く考えることはできないかもしれませんが、意思決定の速さは超一級。甘く見てはいけません。自分を捕まえようと必死の形相の私たちを横目で眺めつつ、「人間ってのろまだな〜」なんて、余裕でつぶやいているかもしれませんね。