
世界一「笑顔」なお葬式が、アイルランドで行われました。
ダブリン在住の男性シェイ・ブラッドレイさんは、日頃から、冗談好きで明るく、人を楽しませることが大好き。
彼の社交性と愛情深さに、周囲の多くの人は少なからず元気をもらっています。

しかしある日、ブラッドレイさんに病気が見つかりました。
「いつ死ぬか分からない」「突然死んでしまったときに、家族や友人に悲しい顔をしてほしくない」――
そんな思いが頭をよぎり、ブラッドレイさんは、ある計画を思いつきます。
それは、まだ生きている自分が棺の中から「出してほしい」と懇願する様子をビデオで記録し、それをいつか来る本当の葬儀の際に流すというものでした。
これは「面白いままの自分を覚えていてほしい」「愛する人たちに笑って見送られたい」というブラッドレイさんの願いだと言います。

そして生前葬当日、神妙な顔をして集まった参列者の前で埋葬される一基の棺。側ではバグパイプの音が厳かに鳴り響きます。
その瞬間、棺の中から「おい、出してくれ!」「クソ、真っ暗で何も見えんぞ!」というブラッドレイさんの声が。次々と乱発されるブラッドレイさんのジョークや歌に、集まった家族や友人たちも笑いをこらえきれません。
生きている以上、いつかは終わりがやってきます。その人が送ってきた人生は、お見送りをする家族や友人の表情にそのまま映し出されるでしょう。
笑いに生きたブラッドレイさんは、終わるときも笑って見送られることを切に願っているようです。