
Point
■コロンビア在住の少女(17)は、数日〜数ヶ月にわたり睡眠が続く「クライン・レビン症候群」にかかっている
■周期的に訪れる過眠期以外に、過食や幻覚、強い性衝動といった行動異常も伴うことがある
■少女は2歳から同病気にかかっており、最長で2ヶ月間の睡眠が続いた
南米・コロンビアに住む17歳の少女シャリク・トヴァルさんは、世にも珍しい病気に悩まされています。
彼女は一度眠りにつくと数日から数週間、あるいは数ヶ月間にわたって目を覚まさないのです。これは「クライン・レビン症候群」という病気で、別名「眠れる美女症候群(Sleeping Beauty Syndrome)」と呼ばれています。
100万人に1人しか現れない奇病ですが、これまで500件ほどの症例が報告されています。
周期的に訪れる過眠期は、平均して8〜12年続き、自然治癒することもありますが、シャリクさんは、発症からすでに15年も経過しているとのこと。
一体どのような病なのでしょうか?
最長2ヶ月に及ぶ睡眠
クライン・レビン患者のおよそ7割は成人男性ですが、近年では女性の症例も確認されているため、「眠り姫」として報道されることもあります。
運命の人が現れるまで永遠に目覚めない『眠れる森の美女』とは違い、クライン・レビン患者には、「過眠期」と呼ばれる集中睡眠期間が周期的に訪れます。
過眠期は数日〜数ヶ月と幅広く、人によっては、その間に食事やトイレのために起き出すこともあるようです。

シャリクさんの母によると、発症は2歳から始まり、これまでの最長期間は2ヶ月に及びました。
彼女の場合、眠っている間に記憶が失われるらしく、ある時、48日間眠った後に目を覚ますと、母親の顔を一時的に忘れていたこともあったそうです。
また、過眠期に入ると、床ずれを防ぐため定期的に体位を変えたり、栄養失調にならないよう、食べ物を流動食にして、数時間ごとに与えなければなりません。