原因不明の眠り病
クライン・レビン患者によると、目覚めた瞬間は気分が困惑して、感情や活力も湧かず、方向感覚がなくなっているそう。
目覚めた瞬間の気分について、「部屋中の光や音に圧迫され、すべての焦点がずれているような感覚」と形容する患者もいます。
また、覚醒状態のときには、過食や幻覚、強い性衝動といった行動異常を伴うこともあるようです。

残念ながら、その病因はいまだに分かっていません。
一説では、「視床下部」という脳領域に、機能不全を起こしていることが要因とされます。
確かに視床下部は睡眠や食欲など日々の身体機能を調節する役割を果たす部分ですが、証拠は特定されていません。
一方、2005年の研究報告によると、クライン・レビン患者の72%は何らかの感染症を患った後に発症していました。そのため、感染症による病原体が、視床下部に害を与えたとも推測されています。
現段階では、再発性の眠気を抑えるアンフェタミンなどの刺激剤や気分障害を抑える薬が処方されるだけで、完治の方法は分かっていません。
シャリクさんのいち早い目覚めを祈りましょう。