星の軌道が持つ意味
軌道が重要な意味を持つのは、その形状で形成過程が推測できるためです。
惑星は若い恒星の周囲にできたガスと塵の降着円盤から形成されます。そのため非常に円形に近い軌道を回るようになります。
太陽系の木星が描く軌道の離心率(円形から離れる度合い)は0.1未満です。
一方、褐色矮星は離心率が高い伸びた楕円軌道を描きます。
このようになる理由は、褐色矮星がもともとは主星と1つで形成されたものが分裂することで生まれたためです。これは、褐色矮星がなりそこないとはいえ、本質的には連星系の片割れであることを示しています。
軌道が円形であるか、楕円であるかで星の形成過程が判断できるのです。
27の星系を調べた結果は明白でした。
調査した27の星系で、木星質量に近い15の天体は、その他の天体に比べて明らかに円軌道が多いことがわかりました。残りはみな連星のように見えたと言います。
この研究はまだサンプル数が少ないものです。研究はこうした観測を継続し、調査の範囲を広げていくことで、星の種類の同定を確かなものにしたいとしています。
今回の研究結果は、他の研究で示されている結論とも一致しており、統計学的にも褐色矮星と巨大惑星が異なる形成経路をたどっていることを明らかにしています。