視覚の低下は網膜細胞のエネルギー不足が原因だった
年齢による視覚の低下は、主に網膜の細胞に存在するミトコンドリアの性能低下によって引き起こされます。
ミトコンドリアは細胞の酸素呼吸が行われる「発電所」とも言うべき存在であり、高いエネルギー需要がある網膜には特に多く存在します。
しかし活発なエネルギー生産の代償として、網膜は他の臓器よりも早く老化することが知られており、エネルギー生産も老化によって70%減少してしまいます。
結果として、エネルギー不足に陥った視覚細胞は、正常な視覚情報の「感受・増幅・伝達」ができなくなり、視力が低下してしまうことが知られていました。
そこでイギリス、ロンドン大学のシンマー氏は、このミトコンドリアのエネルギー不足をなんとか補う方法がないかと考え、ある結論に至ります。