ブラックホールは新たな相
こうした新しいブラックホールのイメージはさらに興味深い考え方を提示しています。
球状物質が重力でつぶれ、高密度の物体(ブラックホール)になる様子は、極限的に重力が強まることで物質が凝集する過程と類似しています。
物質の凝集とは、例えば水蒸気(気体相)が水(液体相)へと変化するようなものです。
最終的にブラックホールは蒸発すると理論的に予想されていますが、これは水になったものが再び水蒸気に戻ることと同じです。
こうした相転移は、あらゆる物質に普遍的に発生します。
つまり、ブラックホールとは液体や気体同様に、あらゆる物質が強い重力下で極限的にとる新たな状態「ブラックホール相」として捉えることができるのです。