「花子」という日本のニシキゴイをご存知でしょうか。
1977年7月7日に亡くなったのものの、そのときの年齢はなんと226歳でした。つまり生まれは、1751年の江戸時代ということになります。
1751年と言えば、江戸幕府の第8代将軍、徳川吉宗が亡くなり、宝暦元年を迎えた年。そんな日本のターニング・イヤーに花子は生まれたのです。
1983年には、「世界最長齢の鯉」としてギネスブックにも認定されています。
鯉の年齢はウロコを見れば分かる⁈
日本を原産とするニシキゴイは、全体的に長生きの種であり、生物の中ではクジラ、カメ、ムカシトカゲの次に長寿の生き物です。
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30〜50年は軽く生き、国内では100歳を超える個体もいくつか確認されています。
平均寿命が長いことも、国内外を問わず、ニシキゴイが世界から愛されている理由のひとつです。
ニシキゴイを長生きさせるには、生育環境に注意しなければなりません。
栄養バランスの取れた食事、清潔でストレスの溜まらない広々とした池はもちろん、冬の期間が長いことも重要です。ニシキゴイは、寒い時期に新陳代謝を急激に落とすことで、ほとんど食事をしなくても良い状態になります。
それから、ニシキゴイの年齢を知るために使われるのが「ウロコ」です。
鯉のウロコは、樹木の年輪のように数えることができ、この方法は300年ほど前から続いています。
花子については、1964年に名古屋女子大学が2枚のウロコを採取し、およそ2ヶ月かけて詳細な調査を行いました。その結果、誕生年が1751年と判明したのです。
花子の飼い主は何度も変わっており、最後の飼い主は、当時、名古屋女子大学の学長であった越原公明(こしはらこうめい)氏でした。
越原氏は、母方の祖母から花子を受け継ぎ、その際、祖母から「先祖代々にわたり受け継がれてきたニシキゴイだ」と話を聞いたそうです。
花子がこれほど長生きできたのは、幸運にも愛ある飼い主の手に引き継がれ続けたおかげかもしれません。