そもそもワームホールとは?
ワームホールは時空のある地点から別の地点へ、光速を超えた瞬時の移動を実現する手段です。
ワームホールは次元を超えたショートカットトンネルと考えることができます。
例えば世界を1辺が1光年ある巨大な紙だったと考えてみましょう。紙の端から端まで行くには光の速度で移動しても1年かかってしまいます。
しかし、この紙を端と端を合わせて折りたたんだ場合はどうでしょうか? 畳んで出発地点とゴールを合わせてしまえば、1光年の距離を隔てていようと、移動時間は0にできてしまいます。
これを私たちの住む時空で考えたものがワームホールです。
私たちの住む時空は、私たちが気づいていないだけで高次元上では折りたたまれて、はるか遠い場所と隣り合っている可能性があります。
このことをアメリカの物理学者ホイーラーは、りんごの反対側へ行くのに表面をなぞって移動するより、中を突っ切った虫食い穴を通ったほうが速く移動できる、という例え話で説明しこの虫食い穴のショートカットトンネルをワームホールと名付けたのです。
ワームホールは現実の世界でも存在することが理論上認められています。その基礎的な理論は20世紀初頭にアインシュタインの一般相対性理論に対応する形で登場しました。
しかし初期にアインシュタインとローゼンが計算したワームホールは、非常に不安定ですぐに崩壊してしまうため、中を通り抜けるということは不可能だと考えられていました。